テスラ株が続落、販売不振とマスク氏の政治的発言が影響

2025年6月4日、米国電気自動車大手のテスラ(TSLA)の株価が再び下落しました。販売データの低迷と、最高経営責任者イーロン・マスク氏による政治的発言が、市場にマイナス材料として受け止められています。

ドイツと中国での販売が引き続き低調

ドイツにおける2025年5月のテスラ販売台数は1,210台と、前年同月比で36%の減少となりました。これにより、年初からの累計販売台数はわずか7,030台にとどまり、前年比58%減という厳しい状況です。

一方、中国市場でも同様に厳しい展開となっています。上海工場からの5月出荷台数は約62,000台で、前年同月比15%の減少となりました。第2四半期の最初の9週間では小売販売が前年同期比で約17%減少しています。ただし、月間出荷台数は4月の58,000台から増加しており、週間販売では前年比20%増となるなど、一部では回復の兆しも見られます。

マスク氏の発言が政治的リスクを生む可能性

2025年6月4日の株価は一時前日比4.2%安の329.84ドルまで下落しました。背景には、マスク氏によるトランプ大統領への批判も影響しています。

6月3日、マスク氏は自身のX(旧Twitter)アカウントで、「この巨額で無駄だらけの議会歳出法案は嫌悪すべきものだ」と投稿しました。「この法案に賛成した議員たちは、自分たちが間違っていたことをわかっているはずだ」と非難を続けました。

さらに、翌日には「このような法案を通す政治家は解雇されるべきだ」と発言し、波紋を呼んでいます。

自動運転技術への影響も懸念材料に

投資会社Future Fundの共同創業者であるゲイリー・ブラック氏は、「マスク氏がトランプ大統領と対立することで、自動運転車の連邦基準制定に悪影響が出る可能性がある」とコメントしました。これは、これまでの両者の関係性の中でテスラにとって大きな利益となっていた部分です。

株価は年初来15%減も、1年では95%上昇

テスラ株は年初から約15%下落している一方、過去1年では約95%上昇しています。特に2025年4月22日の第1四半期決算発表以降、株価は45%上昇しました。

この決算説明会では、マスク氏が「今後はワシントンD.C.ではなく自社業務に集中する」と述べたことや、「テキサス州オースティンでのロボタクシーサービスを6月に開始する予定」と発表したことが好感されました。

投資家は「マスク氏の現場復帰」に期待

最近の政治的発言により、マスク氏がワシントンD.C.での活動をさらに控える可能性が高まりつつありますが、これはむしろ株主にとって好材料とも受け止められています。

実際、テスラのロボタクシーサービスが本格稼働すれば、新たな成長ドライバーとして期待が高まることが予想されます。現在、投資家はオースティンでの自動運転車サービス開始に大きな関心を寄せています。

*過去記事はこちら テスラ TSLA

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