米国時間2025年6月4日、オン・セミコンダクター(ON)の株価が続伸し、3営業日連続の上昇となりました。同社のハッサン・エル=フーリー最高経営責任者(CEO)が成長見通しを強調したことで、投資家の間に回復期待が広がっています。
「回復の兆しが見え始めている」とCEOが強調
オン・セミコンダクターのCEOであるエル=フーリー氏は、6月3日に開催されたバンク・オブ・アメリカ・グローバル・テクノロジー・カンファレンスで講演し、今後の成長に自信を示しました。同氏は「下期にかけて回復が始まると見ている」と語り、特に産業分野で既に回復の兆しが出ていると述べました。
また、自動車分野においても第2四半期が業績の底になるとの見通しを示しました。「現時点で見えている見通しを踏まえると、第2四半期がボトムになると考えている」とし、環境が急激に悪化しない限り、明るい展開を期待できるとの考えを述べました。
第1四半期決算は顧客需要の弱さを示す内容に
オン・セミコンダクターの2025年第1四半期決算は、調整後1株利益が市場予想を上回ったものの、売上高は全体で前年比22%減となりました。産業、自動車、パワーソリューションのすべての事業セグメントで売上が減少し、市場には不安感が広がりました。
その影響で決算発表直後の株価は一時下落しましたが、今回のカンファレンスでの強気な発言が評価され、株価は回復基調に転じています。
株価は3日連続の上昇、S&P500構成銘柄でトップの成績に
6月4日の米国市場で、オン・セミコンダクターの株価は前日比6.14%高の50.28ドルを記録しました。これは2021年11月以来の3営業日連続での大幅上昇となります。6月3日の株価上昇率は11%に達し、S&P500構成銘柄の中で最も大きな伸びを見せました。
この上昇は、エル=フーリーCEOが「今見えていることだけを話す」と前置きしながら、事業環境が底を打ったという前向きな見通しを語ったことが、投資家に安心感を与えたためと考えられます。
今後の業績ガイダンスも強気、アナリスト予想を上回る水準
同社は前回の決算発表時に、2025年第2四半期の調整後1株利益を0.48〜0.58ドル、売上高を14億〜15億ドルと見込んでおり、中央値ではアナリスト予想を上回っています。回復への期待が高まる中、今後の業績発表にも注目が集まります。