ナビタス・セミコンダクター（NVTS）の株価が2025年6月初旬に再び大きく上昇しました。同社は数週間前に、AI半導体大手のエヌビディア（NVDA）との提携を発表して以降、株価が急騰しています。最新の上昇は、フランスのパワーエレクトロニクス企業ブライトループ・コンバーターズとの新たな協業によるものです。
農業用水素燃料電池充電器で新提携
ナビタスは、ブライトループ・コンバーターズとの協力を通じて、農業機器向けの次世代水素燃料電池充電器の開発を進めています。この取り組みは、環境に配慮した脱炭素技術の普及を後押しするものであり、同社のパワー半導体技術が活用されることになります。
このニュースを受けて、6月3日の米国市場でナビタスの株価は一時13％上昇し、6.21ドルまで上昇しました。
エヌビディアとの戦略的提携で株価が一時164％急騰
ナビタス株は、2025年5月22日に発表されたエヌビディアとの提携発表後、1日で164％の上昇を記録しました。この提携は、800ボルト高電圧直流（HVDC）アーキテクチャの共同開発を目的としています。ナビタスにとっては、過去最大の1日での上昇率となり、同社の技術への評価が市場で高まっています。
ナビタスの株価は、5月21日の終値から6月初旬までの約2週間で225％上昇しています。年初来では74％の上昇となっており、急成長を遂げる半導体銘柄として注目を集めています。
最大5,000万ドルのATMプログラムで資金調達へ
5月27日には、ナビタスが米国証券取引委員会（SEC）に「アット・ザ・マーケット（ATM）」プログラムの目論見書を提出しました。このプログラムを通じて、最大5,000万ドルの普通株式を発行する計画です。これにより、同社は2027年に予定されている800V HVDCシステムの商用化に向けた開発資金を確保することを目指しています。
ナビタスは電力変換技術の分野で革新を続けており、特にAIおよびクリーンエネルギー市場との接点が多い点で、今後の成長が期待されています。