メタ・プラットフォームズ(META)が米コンステレーション・エナジー(CEG)と結んだ20年契約の原子力発電購入契約が、投資家の注目を集めています。生成AI開発を支えるための電力確保を目的としたこの契約は、アマゾン(AMZN)、マイクロソフト(MSFT)、アルファベット(GOOGL)など他のビッグテック企業にも広がっており、再生可能エネルギーや原子力関連株への関心が一層高まっています。
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米投資情報メディア「マーケットウォッチ」では、この流れを受けて核エネルギー関連の注目銘柄をピックアップし、今後1年間の株価上昇が期待される企業をリストアップしています。本記事ではその内容の一部をご紹介します。
核エネルギー関連ETFから抽出された有望銘柄
マーケットウォッチの記事では、以下の4つの原子力関連ETFの構成銘柄を対象としたスクリーニングが行われました。
- グローバルXウラニウムETF(URA)
- ヴァンエック・ウラニウム&ニュークリアETF(NLR)
- レンジ・ニュークリア・ルネサンスETF(NUKZ)
- テーマズ・ウラニウム&ニュークリアETF(URAN)
これらETFに共通して含まれている銘柄や、アナリストの評価が高い企業に注目が集まっています。とくにデニソン・マインズ(DML)やネクスジェン・エナジー(NXE)といったウラン採掘企業、さらに富士電機(6504)や日立製作所(6501)など日本の重電メーカーも含まれています。
最も上昇余地があるとされた10銘柄
マーケットウォッチの記事によると、アナリストの評価や目標株価に基づき、今後12カ月間で高い上昇余地が期待されている企業は以下の通りです(一部抜粋・編集)。
- デニソン・マインズ(DML/カナダ)
- ネクスジェン・エナジー(NXE/カナダ)
- 富士電機(6504/日本)
- パラディン・エナジー(PDN/オーストラリア)
- ピージーアンドイー(PCG/米国)
- フローサーブ(FLS/米国)
- カザトムプロム(KAP/カザフスタン)
- サムスン物産(028260/韓国)
- 中国広核電力(1816/中国)
- 日立製作所(6501/日本)
いずれも、原子力発電所の運用や関連設備の製造、ウラン採掘など、核エネルギー分野におけるプレゼンスが高い企業です。
株価上昇余地が小さく除外された注目銘柄
コンステレーション・エナジーは、アナリスト19人中14人が「買い」と評価していますが、現在の株価が目標値をすでに上回っているため、このリストからは外れました。6月3日時点の終値は313.03ドルで、コンセンサス予想(307.77ドル)を1.7%上回っています。
今後の投資検討に向けて
生成AIの普及に伴う電力需要の増大は、再生可能エネルギーや原子力の重要性を再認識させています。各企業の成長性や競争力の持続可能性については、今回のリストを出発点として、個別に精査していくことが重要です。