高性能接続ソリューションを手がけるクレド・テクノロジー(CRDO)の株価が急騰しています。2025年6月2日に発表された第4四半期決算で、市場予想を大幅に上回る内容となり、複数のアナリストが目標株価を引き上げました。
6月3日の米国市場の13:20過ぎの段階で株価は18.9%高の74.5ドルで取引されています。
AI関連企業からの需要拡大が業績を牽引
クレド・テクノロジーは、データセンター向けの高速接続ソリューションを提供する半導体企業です。第4四半期の調整後1株利益は35セントで、市場予想の20セントを大きく上回りました。売上は1億7,000万ドルとなり、こちらも予想の1億6,000万ドルを上回る結果でした。
特に注目すべきは、2026年度第1四半期の売上見通しが1億8,500万〜1億9,500万ドルと示された点です。市場予想の1億6,200万ドルを大きく上回っており、AI向けのデータ処理需要が今後も成長を続けると見込まれています。
顧客の多様化が進行、マイクロソフトやxAIも加わる
これまで主要顧客はアマゾン・ドット・コム(AMZN)で、同社の売上の86%を占めていましたが、直近では61%まで低下しました。その一方で、マイクロソフト(MSFT)とxAIが新たな主要顧客として浮上し、それぞれ四半期売上の12%、11%を占めています。
今後、さらなるハイパースケーラー(巨大IT企業)2社が新たに取引先として加わる見通しで、顧客基盤の拡大が進んでいます。クレド・テクノロジーのCEOであるウィリアム・ブレナン氏は、「すべてのハイパースケーラーが長期的には10%規模の顧客となる可能性がある」と述べています。
アナリストは一斉に目標株価を引き上げ
好決算を受け、9人のアナリストがクレド株の「買い」評価を再確認し、そのうち8人が目標株価を引き上げました。ニーダムのN.クイン・ボルトン氏は、同社を「今後3年間で最も売上成長が期待できる半導体企業の1つ」と評価し、目標株価を80ドルから85ドルに引き上げました。
サスケハナ・インターナショナル・グループのクリストファー・ローランド氏も、「アマゾンでの売上が維持される中で顧客の多様化が進んでいることは非常にポジティブ」と述べ、目標株価を60ドルから90ドルに引き上げました。
また、米国みずほ証券のヴィジャイ・ラケッシュ氏は、同社のデジタル信号プロセッサやアクティブ電気ケーブルへの継続的な需要に注目し、目標株価を70ドルから81ドルへと上方修正しました。
AIブームが継続する中、今後も成長に期待
クレド・テクノロジーは2024年度に4億3,700万ドルの売上を記録し、前年比で約2.3倍に成長しました。株価もこの1年間で200%以上上昇しており、現在は来期の予想利益の50倍超という高いバリュエーションで取引されています。
ブレナンCEOは、「ハイパースケーラーによるAIサービスを支えるソリューションの需要は今後も拡大する」と述べており、AIインフラ市場の成長が続く限り、同社の業績拡大にも期待が持てます。
クレド・テクノロジーは今、AI関連半導体市場における成長株として、投資家の関心を大いに集めています。