エネルギー株の平均配当利回りは約3.6%ですが、その中でもエンブリッジ(ENB)は約6%という高水準の利回りを誇っています。この利回りは一見リスクが高そうに見えますが、実は極めて安定的で、インカム投資家にとっては「買い」の候補といえる銘柄です。
この記事では、エンブリッジの魅力と投資メリットについて詳しく解説します。
エネルギー業界のなかで安定性が際立つミッドストリーム事業
エネルギーセクターは、原油や天然ガスといった商品価格の変動に大きく左右される産業です。上流(生産)や下流(精製・販売)では価格が急変し、業績も不安定になりがちです。
一方で、エンブリッジが属する「ミッドストリーム」は安定した事業モデルを持っています。ミッドストリームとは、原油や天然ガスの輸送・貯蔵・処理などのインフラを担う分野で、エンブリッジは北米最大級のパイプライン網を運営しています。
この分野では原油価格の上下にかかわらず、パイプライン使用料や輸送手数料が収益の中心となるため、価格変動の影響を受けにくく、キャッシュフローが安定します。
30年連続増配という圧倒的な実績
エンブリッジの最大の魅力は、30年連続で増配してきたという実績です。これは、株主還元を最重要視しながらも、経営が着実に成長を続けてきたことの証明です。
配当利回りが高いだけでなく、将来的にも増配が期待できる点が、多くの配当投資家にとって大きな魅力となっています。
財務基盤も健全で安心感がある
高配当株を選ぶ際には、企業の財務状況も重要です。エンブリッジは格付け会社からBBB+という投資適格の信用格付けを得ており、財務の安定性も高く評価されています。
この堅固な財務基盤により、仮に一時的な経済の逆風があっても、配当が維持される可能性は高いと考えられます。
長期投資に最適な「退屈で強い」銘柄
投資において「退屈であること」は、むしろ長所です。エンブリッジは、派手な株価上昇こそ少ないかもしれませんが、安定した収益基盤と配当実績により、時間をかけて着実にリターンを積み上げることができます。
短期的な値動きを狙うのではなく、配当収入を積み上げたい投資家にとって、エンブリッジは非常に魅力的な選択肢です。