2025年、ネットフリックス(NFLX)の株価は引き続き好調を維持しており、投資家にとって魅力的な銘柄となっています。年初来35%の上昇を記録し、過去3年間で507%の上昇を遂げています。株価は5月初めに1,200ドルを突破し、引き続き高水準を維持しています。
エバコアが目標株価を引き上げ、強気継続
エバコアISIのアナリストは5月29日、ネットフリックスの目標株価を1,150ドルから1,350ドルへ引き上げ、引き続き「アウトパフォーム」の評価を維持しました。その理由として、ライブイベント事業の拡大と高い顧客満足度が挙げられています。
ネットフリックスは、2025年のクリスマスにも2試合のNFL中継を実施すると発表しました。2024年の同イベントでは、米国で平均2,650万人が視聴し、ストリーミングによるNFL中継として過去最大の視聴者数を記録しました。さらに、2024年11月にはジェイク・ポール対マイク・タイソンのボクシングイベントで6,000万世帯が視聴し、大きな話題を呼びました。
顧客満足と価格戦略の両立
エバコアが5月に実施した米国のネットフリックス加入者1,300人への調査では、53%がライブイベントを視聴していると回答し、前年の47%から増加しました。さらに、半数の回答者が「ライブコンテンツが増えれば解約しにくくなる」と答えました。
このようなライブイベントの人気は、サービスの価格引き上げやバンドル戦略にもつながる可能性があります。アナリストは「かつてのケーブルテレビの料金を覚えていますか?ネットフリックスのプレミアムプラン(24.99ドル)はそれよりはるかに安い」と指摘しています。
価格に敏感なユーザー向けには、月額7.99ドルの広告付きプランが存在し、経済不況の局面でも契約を維持する手段として評価されています。
コンテンツの質で競合をリード
調査によると、米国の回答者の42%が「コンテンツの質で最も優れているサービスはネットフリックス」と回答しました。英国の加入者からは、さらに高い満足度が示され、3人中2人がトップ評価を付けています。
「ストレンジャー・シングス」「イカゲーム」「ウェンズデー」などの人気シリーズが今後再開される予定で、これも解約防止に寄与する見込みです。
株価は割高か?評価分かれるアナリストの見解
ただし、株価はすでに高水準にあるとの指摘もあります。ネットフリックスの株価は、今後12か月の予想利益に対して約43倍で取引されており、S&P500の平均の2倍以上の水準です。
JPモルガンのアナリスト、ダグ・アンマス氏は今月、評価を「オーバーウエイト」から「ニュートラル」に引き下げました。「ストリーミングのリーダーとしての長期的成長性に変わりはないが、短期的にはリスクとリターンのバランスが取れてきた」との見解を示しています。
一方、バンク・オブ・アメリカのアナリストは「買い」評価を維持し、目標株価を1,175ドルから1,490ドルに引き上げました。これはファクトセットに登録されている中で最も高い目標株価です。
まとめ:今後の焦点は“割高感”と成長持続性
ネットフリックスは、ライブイベントによる新たな収益源と高い顧客満足を背景に、引き続き強い成長ポテンシャルを持っています。ただし、すでに株価は大きく上昇しており、今後はそのバリュエーションの妥当性が注目されます。投資家にとっては、長期的な視点と短期的なリスク評価の両面からの判断が求められる局面です。
*過去記事はこちら ネットフリックス NFLX