エヌビディア、時価総額で世界首位に迫るも“アップル化”の兆し?

2025年5月末、AI半導体の巨人であるエヌビディア(NVDA)は、決算好調を受けて株価が一時急騰し、時価総額で世界最大の企業に迫る勢いを見せました。しかし、真の比較対象はマイクロソフト(MSFT)ではなく、むしろアップル(AAPL)ではないかとの見方も出ています。

エヌビディア、マイクロソフトとの時価総額争い

エヌビディアの株価は決算翌日の5月29日に3.3%上昇し、30日の午前には1.7%下落して136.89ドルをつけました。

29日、エヌビディアの時価総額は3兆3960億ドルに達し、マイクロソフトの3兆4090億ドルに迫る勢いを見せました。取引時間中には一時的に世界最大の企業となったものの、終値ではわずかに届かず2位にとどまりました。

アップルとの比較が意味するもの

ファンドストラットのストラテジスト、ハルディカ・シン氏は「エヌビディアは今やリスクの高いテック株というより、安全資産のような振る舞いを見せており、ここ2年のアップルのようだ」と述べています。

一般的に、アップルと比較されることはテクノロジー企業にとって好意的な評価といえますが、同氏は「企業規模の拡大により成長率が鈍化しつつあり、株価も急騰しにくくなってきている」と指摘しています。

AI革命の初期段階にある現在、エヌビディアは依然としてその中心的存在です。ただし、今後の成長が緩やかになる可能性もあり、それが長期的に同社にとって有利に働くかどうかが注目されます。

AIインフラ需要が追い風に

AIインフラ市場全体には、引き続きポジティブな兆候が見られます。デル・テクノロジーズ(DELL)は、最新の決算報告で通期の利益見通しを引き上げました。同社によると、四半期中のAI関連受注は121億ドルに達し、昨年1年間のAI出荷実績を上回る水準となっています。

さらに、デルのAI関連バックログ(未処理受注)は144億ドルに上り、その大半がエヌビディアの新世代「ブラックウェル」チップを搭載したシステム向けだと明かしています。

今後の注目ポイント

エヌビディアの株価が今後も堅調に推移するかは、AIインフラ需要の持続性と企業規模に伴う成長鈍化リスクとのバランスにかかっています。アップル的な“堅実さ”を武器にするフェーズに入った可能性もあり、投資家は従来のような爆発的な上昇よりも、安定したパフォーマンスに期待を寄せる局面に入ったといえます。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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