Zスケーラー決算:サイバーセキュリティ株低迷の中で際立つ好業績

2025年5月29日、サイバーセキュリティ業界が全体的に苦戦する中で、Zスケーラー(ZS)は第3四半期決算でアナリスト予想を上回り、株価も上昇しました。競合企業の決算が軒並み失望を招く中、同社は堅調な売上成長と利益の拡大を見せました。

他社とは対照的な株価推移

Zスケーラーの株価は決算発表後、時間外取引で3.1%上昇し、258.91ドルに達しました。今年に入り、すでに株価は約40%上昇しており、好調なパフォーマンスが続いています。

一方、センチネルワン(S)やフォーティネット(FTNT)、パロアルトネットワークス(PANW)といった競合企業は、いずれも決算後に株価を下げています。顧客の支出抑制やマクロ経済環境の不透明さが影響しているとされています。

売上と利益が市場予想を上回る

Zスケーラーは、2025年4月30日を期末とする第3四半期において、売上678百万ドル、1株あたり調整後利益84セントを計上しました。これは、ファクトセット調べのアナリスト予想(売上667百万ドル、利益76セント)を上回る結果となりました。

売上は前年同期比で23%の増加となり、同社が提供する「ゼロトラスト・エクスチェンジ」プラットフォームの導入が進んでいることが背景にあります。

CEOのジェイ・チャウドリー氏は、「ビジネスのあらゆる場面にAIが浸透しており、我々のAIセキュリティの需要が急増している」とコメントしています。

アナリストは強気の姿勢を維持

ジェフリーズのアナリストであるジョセフ・ギャロ氏は、「厳しいサイバーセキュリティ決算期においてA+のパフォーマンス」と評価し、目標株価を295ドルから305ドルへと引き上げました。「売上成長は持続可能であり、販売効率の向上や製品ポートフォリオの拡充が支えとなる」と述べています。

ファクトセットによると、アナリストの3分の2以上がZスケーラー株を「買い」またはそれに相当する評価としており、「売り」と評価しているアナリストは存在しません。

2026年通期の見通しには慎重な声も

ただし、エバコアのアナリストであるピーター・レヴィン氏は、2026年の業績予想に関しては楽観的すぎる可能性があると指摘しています。同氏は、「経営陣のコメントと2026年通期の初期予測を踏まえると、現行のファクトセット予想(売上26.6億ドル)はやや過大に見える」と述べています。

それでも同氏は「アウトパフォーム」評価を継続し、目標株価を245ドルから290ドルへと引き上げました。

まとめ:Zスケーラーが見せた強さと今後の注目点

競合他社が決算で苦戦する中、Zスケーラーは際立った成績を示しました。堅実な売上成長とAIセキュリティの需要拡大が好調の要因であり、今後の業績にも期待が集まります。ただし、長期的な見通しに対しては慎重な見方もあり、今後のガイダンスと市場の反応が注目されます。

*過去記事「最大73%の上昇余地も?注目のAI関連米国株30選──ウェドブッシュ証券が示す未来図

最新情報をチェックしよう!
>

幸せな生活作りのための米国株投資。
老後資産形成のための試行錯誤の日々を報告していきます。
皆様の参考になれば幸いです。

CTR IMG