エヌビディア、決算で中国リスクを克服し株価上昇 AI需要とブラックウェルが成長を牽引

2025年5月28日、半導体大手のエヌビディア(NVDA)は2026年度第1四半期の決算を発表しました。売上は市場予想を上回り、サプライチェーンの混乱や対中輸出規制の影響に対する懸念を払拭する内容となりました。

中国市場の制約にもかかわらず、見通しは良好

現在、エヌビディアは事実上中国市場から締め出されており、現時点では中国向け製品の再設計も予定されていません。しかし、複数のアナリストは決算発表後も同社の中長期的な成長性に対して楽観的な見方を示しています。

バーンスタインのアナリストは、今回の決算を受けて「全体的な見通しは前四半期よりも明るくなっている」と評価しました。ブラックウェル・プラットフォームの立ち上げが加速しており、2025年後半にはラック供給も改善する見込みです。さらに、AI関連の計算需要は今後も拡大していくと見られており、需要見通しも強いまま維持されています。

データセンター売上に対する見方の変化

エヌビディアのデータセンター部門の売上は391億ドルで、市場予想をわずかに下回りました。しかし、レイモンド・ジェームズのアナリストは、「中国事業の影響を除けば、実質的には予想以上の内容だった」と指摘しました。中国市場の影響がなければ、全体的には大幅な増収になっていた可能性が高いとしています。

ブラックウェルGPUの急速な展開が成長を加速

エヌビディアは、ブラックウェルGPUの展開が同社史上最速ペースで進んでいると説明しています。特にハイパースケーラー企業によるAI推論需要が拡大しており、エージェント型AIや推論モデルに対する投資が加速しています。

モルガン・スタンレーは「供給制約の中でも予想以上の成長を見せており、競合他社との差もさらに広がっている」と評価しました。ラック生産に関する懸念は過剰であったとし、「数字は今後も回復基調に入り、改善が継続する」との見解を示しました。

サウジやUAEのAI投資がもたらす新たな収益機会

ジェフリーズのアナリストは、エヌビディアがソブリンAI(政府主導のAI)領域で新たな成長機会を得ていると指摘しています。5月初旬には、サウジアラビアのAI企業Humainと契約し、今後5年間で1万8,000個のチップを展開する計画を発表しました。このデータセンターは最大500メガワット規模になる可能性があります。

キャンター・フィッツジェラルドのアナリストも「AIはインターネット、モバイル、クラウドを上回るスピードで成長しており、ブラックウェルを含む次世代ソリューションを備えたエヌビディアはAI分野の中核プラットフォームになる」と評価しています。

まとめ:AI成長の波に乗るエヌビディア、制約を超えて進化継続

中国市場という短期的な逆風はあるものの、ブラックウェル・プラットフォームの加速、データセンターの需要継続、ソブリンAI投資などの好材料が、エヌビディアの成長を後押ししています。供給面の課題も解消に向かっており、今後も注目すべき企業であることは間違いありません。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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