クラウドストレージ大手のボックス(BOX)の株価が2025年5月28日の米国市場で急騰しました。2026会計年度第1四半期決算において、市場予想を上回る利益を計上し、通期の売上見通しも引き上げたことが好感された形です。
第1四半期は利益・売上ともに予想を上回る
ボックスの第1四半期の調整後1株利益は30セント、売上は2億7600万ドルとなりました。ウォール街のコンセンサス予想は、1株利益が26セント、売上が2億7500万ドルでしたので、利益・売上ともに市場予想を上回る結果となりました。
これを受けて、2026会計年度の売上見通しを、従来の11億5500万ドル〜11億6000万ドルから、11億6500万ドル〜11億7000万ドルへと上方修正しました。
株価は年初来最大の上昇幅を記録
発表を受けて、ボックスの株価は17.23%上昇し、28日の終値は36.87ドルでした。これは2025年に入ってからの年初来高値であり、2020年3月19日以来の1日あたりの最大上昇率となっています。株価は52週の高値更新も視野に入ってきました。
アナリストは目標株価を引き上げ、AIとエンタープライズ製品に注目
好決算を受けて、複数のアナリストがボックス株の目標株価を引き上げています。
レイモンド・ジェームズのアナリストは、評価を「アウトパフォーム」で据え置いたうえで、目標株価を38ドルから42ドルに引き上げました。同社は、ボックスの「Enterprise Advanced」スイートにおける好調な動きを評価しています。
また、D.A.デビッドソンのアナリストであるラッキー・シュライナー氏は、「Enterprise Advanced」プラットフォームやAI機能に対する顧客の関心が高まっている点を指摘し、「ボックスは成長加速に向けた初期段階にあると考える」とコメントしました。シュライナー氏は「買い」評価を維持し、目標株価を40ドルから45ドルに引き上げました。
今後の注目ポイント
ボックスは、クラウドストレージから付加価値の高いエンタープライズソリューションへと事業の軸足を移しつつあります。AI機能の強化とエンタープライズ分野の拡大が、今後の成長を支える重要なカギとなりそうです。今回の決算で見えた市場の好反応は、そうした戦略が着実に成果を上げていることを示しています。