オクロ株が431%上昇!核エネルギー新時代の幕開け

  • 2025年5月28日
  • 2025年5月28日
  • BS余話

2024年5月に上場した核エネルギー企業のオクロ(OKLO)は、上場から1年余りで投資家の注目を集めています。同社の株価は5月27日の米国市場で10.29%高の53.9ドルとなり、年初来で約154%、過去1年で431%の上昇を記録しています。この急騰の背景には、米国政府の政策支援や戦略的提携、そして革新的な技術開発があります。

株価急騰の背景

23日、ドナルド・トランプ大統領は、米国の核エネルギー能力を2050年までに4倍に拡大することを目指す大統領令を発表しました。これには、原子力規制委員会(NRC)による新規原子炉プロジェクトの承認を18か月以内に行うことや、国内のウラン採掘と核燃料生産の強化が含まれています。この発表により、オクロの株価は同日に10%上昇し、投資家の期待感が一段と高まりました。

オクロのCEOであるジェイコブ・デウィット氏は、規制緩和の動きについて「我々のような企業がグローバルリーダーになることを妨げてきた」とし、核技術の主導権を中国やロシアに渡すことは戦略的に不適切だと語っています。

著名アナリストが目標株価を引き上げ

ウェドブッシュ証券のアナリスト、ダン・アイブス氏は23日、オクロの目標株価を従来の45ドルから55ドルに引き上げ、格付けを「アウトパフォーム」で維持しました。アイブス氏は、同社の長期契約に基づいて顧客に電力を直接販売するビジネスモデルを高く評価しており、この手法は持続的な収益創出に強みをもたらし、業界の課題に対処する上で優位性があると述べています。

加えて、アイブス氏は、小型モジュール炉(SMR)分野においてもオクロに大きな成長余地があると指摘しました。特に、AIの進展によるデータ生成、保存、処理に伴うエネルギー需要の急増が、同社のビジネスチャンスを拡大させると見ています。

オクロの技術と展望

オクロは、15〜50メガワットの電力を供給できる小型高速中性子炉「オーロラ」の開発を進めています。この炉は最大10年間の無補給運転が可能で、データセンターや遠隔地のコミュニティ、軍事基地などへの電力供給を想定しています。

2027年末までに最初の「オーロラ」施設の稼働を目指しており、これにより核エネルギー業界に新風を吹き込むことが期待されています。ただし、デウィット氏は「電力供給は2027年に開始されるが、初の請求は2028年になる見通し」と述べており、スケジュールには一定の柔軟性を持たせています。

戦略的提携と市場拡大

27日、オクロは韓国水力原子力(KHNP)と覚書を締結し、「オーロラ」施設の共同開発とグローバル展開を進めることを発表しました。また、2024年にはデータセンター運営企業のスイッチと、2044年までに12ギガワットの電力供給に関する基本合意を結んでおり、AIやデータセンター向けの電力需要に対応する体制を整えています。

投資家の評価と今後の見通し

オクロをカバーするウォール街のアナリスト8社のうち6社が「買い」と評価しており、2社が「ホールド(中立)」としています。シティのアナリスト、ヴィクラム・バグリ氏は、現時点では好材料がすでに株価に反映されている可能性があるとしつつも、今後の設計・運転申請の進展が次の焦点になると述べています。

オクロは革新的な技術と戦略的な提携を武器に、核エネルギー分野でのリーダーシップを確立しつつあります。今後の動向に注目が集まります。

*過去記事「オクロが原子力発電の未来を切り拓く!初の小型モジュール炉計画が本格始動

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