エヌビディア株に調整の兆し?決算前に知っておくべきリスクと注目ポイント

米国の半導体大手エヌビディア(NVDA)の株価が、先週末の5月23日に約3%下落し、4週連続の上昇に終止符を打ちました。前週には16%の大幅上昇を記録していたものの、決算発表を目前に控えた今、投資家の間には利益確定売りの動きが見られています。

米国みずほ証券のアナリストであるジョーダン・クライン氏は、米中関係の緊張緩和による90日間の関税一時停止が半導体株を押し上げたと指摘していますが、その反動として短期的なリスク・リワードが悪化したことを懸念しています。

エヌビディアの業績ガイダンスに影を落とす中国向け輸出制限

米国政府は4月、エヌビディアに対し、中国市場向けに特別設計されたH20チップの販売を禁止しました。この規制によって、同社は最大55億ドルの損失計上を見込んでおり、2025年4月期の決算にも大きな影響を与えると見られています。

エヌビディアの最高経営責任者(CEO)であるジェンスン・フアン氏は、この措置について「非常に痛みを伴う」と述べ、中国市場での150億ドルの売上と30億ドルの税収を失ったと明かしています。

米銀大手は引き続きエヌビディア株を強気視

バンク・オブ・アメリカは、エヌビディア株に対して「買い」評価を維持していますが、中国規制による7月期の業績ガイダンスには不透明感が残ると指摘しています。アナリストのヴィヴェック・アリヤ氏は、2025年後半には新しい「ブラックウェル」プラットフォームの拡大によって、粗利益率が70%台半ばに戻る可能性に注目しています。

また、中国向けには再設計された新製品によって売上回復が見込まれる点も評価されています。4月期については、「控えめな業績上振れ」を予想しており、55億ドルの減損により粗利益率が58%程度まで低下する見込みです。なお、規制前に発表された会社予想では71%の粗利益率が見込まれていました。

今後の注目点:7月期の売上見通しと粗利益率の回復

アナリスト予想(ファクトセット集計)によれば、7月期の売上は460億ドルが見込まれています。バンク・オブ・アメリカは、以前の予想である480億ドルから若干下方修正し、現在は464億ドルを見込んでいます。これはH20規制前の見通しからの調整となっています。

人工知能(AI)のグローバル展開の中心的存在であるエヌビディアは、業界を牽引する立場にあります。中国市場での売上回復と新プラットフォームの進展によって、今後も投資家の注目を集める展開が続きそうです。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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