米国の原子力政策転換で原子力関連株が急騰、エネルギー株に注目集まる

  • 2025年5月24日
  • 2025年5月24日
  • BS余話

5月23日の米国株市場では原子力関連企業の株価が急騰しました。これはドナルド・トランプ大統領が新たな大統領令に署名する見通しとなり、原子力発電推進政策への転換が意識されたためです。規制緩和と新規原子炉建設に向けた承認プロセスの簡素化が期待され、市場の関心が急速に高まりました。

原子力関連企業の株価が急上昇

トランプ大統領が計画している大統領令は、エネルギー省と国防総省に対して、連邦所有地での原子力発電所設置を促進するよう指示する内容が含まれています。これにより、現在の原子力規制委員会の承認プロセスが効率化される見通しです。

この報道を受け、セントラス・エナジー(LEU)は21%上昇し、ライトブリッジ(LTBR)は41%、ニュースケール・パワー(SMR)は14%の上昇を記録しました。原子力スタートアップ企業のオクロ(OKLO)にいたっては株価が28%上昇し、50.9ドルとなりました(いずれも米国東部夏時間11:30時点)。

株価下落の中でエネルギー株が堅調

S&P500指数が1.1%下落する中、他のエネルギー関連企業も上昇しました。米国最大のカーボンフリー電力供給企業であるコンステレーション・エナジー(CEG)は1.6%の上昇を見せ、GEベルノバ(GEV)は0.8%上昇しました。GEベルノバは原子力を含む発電技術を提供するグローバル企業です。

セントラス・エナジーは注目銘柄に

エバコアISIのアナリストは、今回の大統領令が原子力サプライチェーン構築を支援する34億ドルの資金の迅速な配分を示唆する「信任の証」だと評価しています。セントラス・エナジーについては、「核燃料業界における必須保有銘柄」とし、実績ある遠心分離技術やユーティリティおよび原子力発電事業者との強固な関係を評価しています。同社に対しては「アウトパフォーム」の評価を与え、目標株価を145ドルとしています。

オクロの成長可能性に高評価

オクロに関しては、ウェドブッシュのアナリストが「アウトパフォーム」の評価を再確認し、目標株価を45ドルから55ドルに引き上げました。現在の株価から17%の上昇余地があるとしています。同社は2027年末までにアイダホ国立研究所で最初の原子力発電所を稼働させる予定で、原子炉ではなく電力を顧客に直接販売するビジネスモデルを採用しています。これにより長期的な収益性が期待されるとともに、従来の原子力プロジェクトにおける課題の多くを回避できるとされています。

今後の展望

今回の動きは、米国がエネルギー安全保障とカーボンニュートラル達成に向けた具体的な一歩を踏み出したことを示すものです。今後も原子力発電関連企業への注目が高まり、投資対象としての魅力が一段と増す可能性があります。原子力関連株の動向に注視する必要があります。

*過去記事「オクロが原子力発電の未来を切り拓く!初の小型モジュール炉計画が本格始動

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