米国の人工知能(AI)クラウド企業であるコアウィーブ(CRWV)は、2025年5月21日に20億ドルのシニアノート(社債)を発行、投資家からの強い需要を受けて当初予定の15億ドルから増額しました。この債券は2030年満期で、年利9.25%の条件で発行され、5倍の応募超過となりました。
調達資金は、既存債務の返済や一般的な企業目的に充てられる予定です。
業績と株価の動向
コアウィーブは2025年第1四半期に、前年同期比420%増の9億8,160万ドルの売上を計上し、アナリスト予想の8億5,977万ドルを上回りました。しかし、1株当たり31セントの損失を計上し、前年同期の5セントの損失から赤字が拡大しています。
同社は2025年通期の売上を49億~51億ドル、調整後営業利益を8億~8億3,000万ドルと予想しています。また、2025年第2四半期の売上は10億6,000万~11億ドル、調整後営業利益は1億4,000万~1億7,000万ドルを見込んでいます。
株価は3月の新規株式公開(IPO)以来、100%以上上昇し、5月21日には一時108.50ドルの過去最高値を記録しました。
主な提携と投資
コアウィーブは、オープンAIとの間で2029年4月までに最大40億ドルのクラウドコンピューティングサービスを提供する契約を締結しました。
また、エヌビディア(NVDA)は、コアウィーブの株式を約7%(2,420万株)保有しており、同社の成長を支援しています。
財務と将来の展望
コアウィーブは、2025年に約215億ドルの資本支出を計画しており、AIインフラとデータセンターの拡張を進めています。
同社の最大顧客はマイクロソフト(MSFT)で、2025年の売上の62%を占めています。
今後の課題としては、顧客基盤の多様化と収益性の向上が挙げられます。アナリストは、これらの点での進展を注視しています。
コアウィーブは、AIインフラ市場での地位を確立しつつありますが、財務の健全性と競争力の維持が今後の成長にとって重要となります。投資家は、同社の戦略的パートナーシップと市場動向を注視する必要があります。