米紙ウォール・ストリート・ジャーナル（WSJ）が2025年5月20日付の記事で報じたところによると、エヌビディア（NVDA）のジェンスン・フアンCEOが、ビジネスリーダーとしての枠を超え、地政学的な影響力を持つ存在として世界的な注目を集めているとのことです。
この記事では、フアン氏がこの1カ月でアメリカ、中東、台湾を訪問し、各国の政府首脳と相次いで面会した様子が詳しく紹介されています。特にアメリカのトランプ大統領とのホワイトハウスでの共演や、サウジアラビアでのビジネスフォーラムへの参加などが強調されており、AI半導体を巡るグローバルな争奪戦の最前線に彼が立っていることが浮き彫りとなっています。
注目されたポイントと今後のリスク
フアン氏は台湾でも大きな注目を集め、新オフィスビルの建設やAIスーパーコンピュータの導入計画を発表。台湾総統や民間企業からも称賛を浴び、現地では“チーム台湾のリーダー”とまで呼ばれるほどです。
一方で、記事では地政学的リスクにも言及されています。アメリカと中国の緊張が高まる中で、エヌビディアが両国との関係をいかに維持するかは、今後の企業経営における重大な課題となっています。中国市場への対応としては、輸出規制に対応した新型チップの供給など、微妙なバランス感覚が求められる状況です。
記事の詳細について
この記事は、WSJのアジア経済・ビジネス編集者であるピーター・ランダース氏の視点を交えつつ、AI技術を巡る国際政治の複雑な状況を描いています。特に注目すべきは、AI半導体が今や国の戦略資産と見なされ、企業CEOが国家戦略の一翼を担うという、新しい時代の到来を感じさせる点です。
まとめ
今回のWSJの記事は、テクノロジー企業のリーダーが地政学的なキーパーソンになる時代に突入したことを象徴しています。エヌビディアのジェンスン・フアン氏の動向は、今後もグローバルな投資家や政策立案者にとって極めて重要な指標となりそうです。