アップル株に暗雲?グーグル&エピック訴訟で利益20%減のリスク

アメリカの大手テクノロジー企業アップル(AAPL)が直面している2つの法的リスクが、同社の利益の約20%に影響を与える可能性があると、エバコアのアナリストが警鐘を鳴らしています。この記事では、その詳細と投資家にとって注目すべきポイントを解説します。

グーグルとの検索契約が最大のリスク要因

アップルの最も大きな収益源の一つは、アルファベット(GOOGL)との契約によって、iPhoneのデフォルト検索エンジンとしてグーグルを設定する見返りに受け取っている年間200億~240億ドルの支払いです。この契約はアップルの年間売上高の約6%、1株当たり利益の約16%を占めています。

しかし、アメリカ司法省は現在進行中の反トラスト訴訟において、グーグルがアップルに検索エンジンの優遇措置として「何らかの価値のあるもの」を提供することを禁止するよう提案しています。アナリストのアミット・ダリヤナニ氏によれば、この支払いの約半分は米国内の収益分配に関連しており、もし違法と判断された場合、グーグルが契約自体を打ち切るリスクもあるとしています。

エピックゲームズとの訴訟でアプリ収益も脅かされる

もう一つのリスクは、エピックゲームズとの法的争いです。最近、カリフォルニア州の判事が、2021年の差止命令に違反し、アップルがアプリ開発者に対して外部決済手段への誘導を妨げていたと判断しました。この判決によって、アップルはアプリ内課金から得られる米国市場での収益、推定で70億ドル(売上高の約2%、1株当たり利益の約6%)を失う可能性があります。

現在、アップルはこの判決の一時的な執行停止を求める緊急申し立てを行い、控訴する意向を示しています。

最悪のケースでは利益の20%が失われる可能性

グーグルからの米国分の支払いとアプリ課金手数料の両方がゼロになる最悪のケースでは、アップルの1株当たり利益は約20%減少すると見込まれています。その場合、ダリヤナニ氏は株価が208ドルあまりの現在の価格から144ドルまで下落する可能性があると試算しています。

しかし、これはあくまで最悪の想定であり、エバコアのベースシナリオではありません。同氏はアップル株に対する「買い」評価と250ドルの目標株価を維持しており、裁判の結果がそれほど厳しくならないという前提を置いています。

投資家にとっての注目ポイント

現在、市場ではアップルに対する投資家の心理がかなりネガティブになっており、もし訴訟の結果がアップルに有利、または想定より軽いものであれば、それが株価の大きなプラス要因となる可能性があります。こうしたリスクの見極めが、今後のアップル株投資において重要な鍵となります。

*過去記事はこちら アップル AAPL

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