アジア最大のテックイベント「Computex 2025」で注目すべき4つの視点

毎年台湾・台北で開催されるアジア最大級のテクノロジー展示会「Computex」。5月19日から開催される2025年の展示会には、エヌビディア(NVDA)のCEOジェンスン・フアン氏をはじめとする業界のリーダーたちが一堂に会します。しかし、今年のイベントはAI技術の進展だけでなく、世界の地政学的・経済的な変動が色濃く反映される場となりそうです。

1. 半導体製造の地理的再編

バイデン政権時代のAI半導体規制を見直す方針を掲げるトランプ政権は、米国内での半導体生産回帰を進めています。台湾積体電路製造(TSMC)はアリゾナ州での追加投資1000億ドルを発表し、他の台湾系企業もアメリカへの進出を加速。中東諸国との新たな貿易協定も視野に入れるなど、製造地の再編が急速に進んでいます。

2. 「AIバブル」への懸念と現実

2023年以降の生成AIブームにもかかわらず、消費者市場での反応は限定的。スマホやPCの出荷台数の伸びは鈍化しており、マイクロソフトやアリババの幹部からは、過剰なAIインフラ投資への警鐘も上がっています。今回のComputexでは、こうしたAIの現実的な成果と将来への期待とのギャップが議論される見込みです。

3. インテルの新CEOと再建計画

新たにインテルのCEOに就任したリップ・ブー・タン氏は、業界パートナーとの関係再構築に奔走しています。同氏は、半導体設計ソフトウェア企業であるケイデンス・デザイン・システムズ(CDNS)のCEOを務めた実績があり、今回のイベント期間中も水面下で多くのミーティングを重ねる予定です。TSMCやエヌビディアに追いつくための戦略的布石が注目されます。

4. フォックスコンとエヌビディアの新たな展開

フォックスコンはAIサーバーの組み立て分野での存在感を増しており、今回は異例のキーノート登壇も予定。エヌビディアはAIチップの年間更新計画を継続し、今後はロボティクスやクアルコム(QCOM)との共同でArmベースのPCチップへの進出も視野に入れているようです。


今回のComputexは、単なる最新技術の披露の場を超え、グローバルな産業構造や国際政治との結びつきが一層深まるタイミングでの開催となります。投資家にとっても、AI関連銘柄や半導体関連企業の今後を占う重要なヒントが得られるイベントになりそうです。

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