コアウィーブ株が22%急騰!背景にあるエヌビディアとの戦略的関係とは

  • 2025年5月18日
  • 2025年5月18日
  • BS余話

米国のAIクラウドインフラ企業であるコアウィーブ(CRWV)の株価が、5月16日の米国市場で22%急騰し、過去最高値の80.30ドルを記録しました。これは、エヌビディア(NVDA)が同社の株式を予想以上に保有していることが明らかになったことが背景にあります。

エヌビディア、コアウィーブ株を7%保有

エヌビディアは、2025年3月31日時点でコアウィーブの株式を2,418万株(発行済株式の約7%)保有していることを、米証券取引委員会(SEC)への13G報告書で明らかにしました。これは、同社の新規株式公開(IPO)時の目論見書に記載されていた5.2%から増加しています。エヌビディアはIPO時に約6百万株を追加取得し、約2億5,000万ドルを投じてIPOを支援しました。

IPO価格の2倍に達した株価

コアウィーブは2025年3月に1株40ドルでナスダックに上場しましたが、5月16日には株価が80.30ドルに達し、IPO価格の2倍以上となりました。この急騰は、エヌビディアの大規模な出資が明らかになったことに加え、同社の第1四半期決算が市場予想を上回ったことが要因です。

第1四半期決算:売上高が前年同期比420%増

コアウィーブの2025年第1四半期の売上高は9億8,160万ドルで、前年同期比420%の増加となり、アナリスト予想の8億5,710万ドルを上回りました。しかし、1株あたりの損失は1.49ドルと、前年同期の0.62ドルから拡大しています。この損失拡大は、IPO関連の株式報酬費用が1億7,700万ドル発生したことが主な要因です。

さらに、同社はオープンAIとの間で2029年までの契約拡大を含む40億ドル規模の契約を締結し、アルファベット(GOOGL)を新たな顧客として迎え入れたことを発表しました。これにより、同社の受注残高は259億ドルに達しています。

高まる資本支出と財務リスク

コアウィーブは、2025年の資本支出を200億〜230億ドルと見込んでおり、これは市場予想を上回る水準です。この大規模な投資は、AIインフラ需要の急増に対応するためですが、短期的な収益性の低下や純負債の増加につながる可能性があります。同社の負債総額は85億ドルに達しており、財務リスクへの懸念が高まっています。

エヌビディアとの戦略的パートナーシップ

コアウィーブは、エヌビディアのGPUを活用したAIクラウドインフラを提供しており、エヌビディアとの緊密な関係が同社の競争優位性を支えています。エヌビディアの出資により、コアウィーブは最新のGPU技術を迅速に導入し、AIサービスの開発と運用において高度な能力を提供しています。

投資家への示唆

コアウィーブは、急速な売上成長と主要顧客との大型契約により、AIインフラ市場での地位を確立しつつあります。しかし、高額な資本支出と財務リスク、主要顧客への依存度の高さ(2024年の売上の62%がマイクロソフトから)など、慎重な評価が求められます。投資家は、同社の成長性とリスクを総合的に判断し、長期的な視点での投資戦略を検討することが重要です。

*過去記事「コアウィーブ、オープンAIとの大型契約締結と顧客基盤拡大で成長加速へ

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