動画配信大手のネットフリックス(NFLX)は、足元で好調な株価推移を見せていますが、今後もさらなる上昇余地があると見られています。シーポート・リサーチ・パートナーズのアナリスト、デビッド・ジョイス氏は、同社株を「買い」と評価し、目標株価を1,060ドルから1,230ドルに引き上げました。これは現在の株価水準から約4.4%の上昇を見込んでいることになります。
大幅な上昇幅ではないものの、ジョイス氏はネットフリックスを「下値リスクが限定的な中核銘柄」と位置付け、「押し目買いの好機」とも述べています。特に、新作コンテンツの投入や広告付きプランの成功、そしてサブスクリプション価格の引き上げが、同社の業績拡大を後押しすると予想されています。
2026年までにEBITDAは14%増を予想
ジョイス氏によると、ネットフリックスのEBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)は、今年初めから2026年末までに14%増加し、1,524億ドルに達すると見込まれています。これは新たなヒット作の配信や、広告収益の拡大が寄与する形です。
また、今年春に発生した市場の混乱期においても、ネットフリックスの株価は強さを示しました。特に、ドナルド・トランプ大統領による関税政策が引き金となった売り相場でも、ネットフリックスは25%の上昇を記録しています。これは、同社が「モノ」ではなく「コンテンツ」を輸入するビジネスモデルのため、関税リスクを回避できるとの投資家の安心感によるものです。対照的に、S&P500指数は同期間で5%の上昇にとどまっています。
高いバリュエーションでも「買い」継続との見方
今週、米投資情報誌「バロンズ」も、ネットフリックス株が高バリュエーションにもかかわらず「買い」継続と評価しています。利益率の改善ペースが速く、株価上昇の勢いを維持できるとの見方です。
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さらに、ネットフリックスの経営陣は2030年までに売上高を倍増させ、時価総額を1兆ドル規模にまで拡大することを目指していると、ウォール・ストリート・ジャーナルが先月、関係者の話として報じました。現在の時価総額は約5,000億ドルであり、この目標達成には今後の成長戦略が重要な鍵を握ることになります。
ネットフリックスは今後も注目の投資対象
ネットフリックスは、関税リスクに強いビジネスモデルと、堅調な新作コンテンツ、広告モデルの拡大によって、安定した成長が期待されています。押し目買いの好機として投資家から注目され続ける可能性が高い銘柄です。