AIクラウドインフラを提供するコアウィーブ(CRWV)は、上場後初となる2025年第1四半期決算を5月14日に発表しました。同社の売上高は9億8,160万ドルとなり、前年同期比で420%増と大幅に成長しました。これは市場予想の8億5,700万ドルを大きく上回る結果です。
しかし、1株当たり損失は1.49ドルとなり、アナリスト予想の0.12ドルの損失を大きく下回る結果となりました。
コアウィーブの最高経営責任者であるマイケル・イントラトール氏は、「AIリーダーたちが最先端アプリケーションに必要な高性能AIクラウドインフラを求めており、その需要は非常に強く、加速している。当社はその需要を取り込むために、できる限り速く事業を拡大している」と述べています。
ガイダンス発表後に株価は急落、投資家の期待が影響
決算発表後、コアウィーブの株価はアフターマーケットで一時9%上昇する場面もありましたが、その後に発表されたガイダンスを受けて急落し、7.9%下落しました。
同社は2025年第2四半期の売上高を10億6,000万ドル〜11億ドルと見込んでおり、市場予想の9億8,800万ドルを上回る水準です。通期では49億ドル〜51億ドルの売上高を予想し、こちらも市場予想の46億6,000万ドルを超えています。
しかし、これまでの株価急騰を受けて投資家はさらなる成長期待を抱いており、それに届かなかったことが株価の下落要因となりました。
コアウィーブのIPOと成長背景
コアウィーブは2017年に設立され、グラフィックス処理装置(GPU)への大規模なクラウドアクセスを提供する企業です。物理GPUの高価格化と需要増加を背景に、スタートアップ企業から大手企業まで幅広い顧客層に支持されています。
今年3月末に行われた新規株式公開(IPO)では、公募価格を40ドルに設定。当初の予想レンジを下回る価格設定でしたが、その後の株価は公開価格から65%以上上昇しています。これは、多くの大手テクノロジー企業が2025年の設備投資計画で強気な見通しを示したことが追い風となっています。
エヌビディアとの戦略的パートナーシップ
コアウィーブは、AI関連分野での強みを持つエヌビディア(NVDA)と緊密なパートナーシップを結んでいます。エヌビディアはコアウィーブが非公開企業だった時期に出資しており、今回のIPOにも関与しました。この関係性がコアウィーブの成長を後押しする重要な要素となっています。
アナリストの評価と今後の見通し
ジェフリーズのアナリストであるブレント・スリル氏は、コアウィーブに対して「買い」評価を付与しています。「AIインフラの整備はまだ始まったばかりであり、信頼性の高いAIコンピュート環境をスケールできる数少ない企業としてコアウィーブは好位置にある」との見方を示しています。
今後もAI分野での需要拡大が続く中、コアウィーブの成長がどこまで続くのか、引き続き注目が集まります。