小型株で狙うインカム投資──バロンズが紹介する注目の高配当銘柄とファンド

  • 2025年5月12日
  • 2025年5月12日
  • 配当株

2025年の相場は引き続き不安定な状況が続いていますが、そうした中でも「高配当」という観点から注目すべき投資先が存在します。米投資専門誌「バロンズ(Barron’s)」が最近の特集で、小型株の中から魅力的な配当利回りを持つ銘柄やファンドをピックアップしています。本記事では、同誌の報道内容をもとに、インカム投資家にとって参考になるポイントを紹介します。

小型株でも安定配当を狙える時代に

小型株は一般的にボラティリティが高く、流動性のリスクも伴います。しかし、配当方針が堅実で持続可能な企業であれば、大型株に比べて特段の不利があるとは限りません。

記事内で紹介された投資顧問会社のCIO、チップ・リウィ氏は「配当の持続性と成長性こそが重要」と述べており、規模に関係なくファンダメンタルズを重視する姿勢がうかがえます。

バロンズが注目する個別銘柄

記事では、以下のような米国の小型株企業が取り上げられています。

ABMインダストリーズ(ABM)

建物メンテナンスやマイクログリッドシステム、電力貯蔵ソリューションを提供するABMインダストリーズは、2025年年初来で約2%の下落にとどまっています。配当利回りは2.1%、時価総額は約31億ドルです。同社は自社株買いを積極的に行っており、フリーキャッシュフローも堅調です。2024年末には四半期配当を26.5セントに引き上げました(前回比約18%増)。

コロンビア・バンキング・システム(COLB)

ワシントン州タコマを拠点とする地方銀行で、2025年はこれまでに12%超の下落を記録していますが、配当利回りは6.2%と非常に魅力的です。時価総額は約49億ドル。現在進行中のカリフォルニア州のパシフィック・プレミア・バンコープの買収が成長ドライバーになると期待されています。

ノースウェスト・ナチュラル・ホールディング(NWN)

天然ガスと水の配給を行う公益事業会社で、オレゴン州ポートランドに本社を構えています。2025年は約13%の株価上昇を記録しており、配当利回りは4.5%、時価総額は約18億ドルです。2025年1月にはテキサス州の天然ガス事業SiEnergyの買収を完了し、今後の成長に貢献すると見られています。2024年秋には四半期配当を49セントに小幅引き上げました。

これらの企業はいずれも時価総額が数十億ドル規模で、比較的小さいながらも安定した事業モデルを持ち、配当を重視する投資家にとって検討に値する存在です。

高配当ファンドも選択肢に

個別株の選別に自信がない場合には、小型株に分散投資するファンドも魅力的です。バロンズの記事では、次の2つのファンドが取り上げられていました。

ロイス・スモールキャップ・トータルリターン(RYTRX)

総資産9億ドルのロイス・スモールキャップ・トータルリターンは、トータルリターンと安定的な配当を重視したファンドです。2025年は年初来で8.8%の下落ながら、配当利回りは3.2%と高めで、守備的な運用スタイルが特徴です。経費率は1.21%です。

バンガード・スモールキャップ・バリューETF(VBR)

規模は約278億ドルと大きく、経費率が0.07%と非常に低コストであることが魅力です。2025年の年初来リターンは7.5%の下落ですが、配当利回りは2.3%で、分散投資の観点からも優れた選択肢といえます。

    小型株でインカムを得るには

    高配当小型株は、インフレ下や金利高の局面においても一定の収入を確保したい投資家にとって、有力な選択肢となります。とはいえ、リスク管理や企業分析が欠かせません。安易に高配当に飛びつくのではなく、配当性向や財務の健全性、今後の成長戦略まで総合的に見極めることが重要です。

    *過去記事はこちら 配当株

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