人工知能（AI）分野の拡大が進む中、米国市場ではテクノロジー株が一段と注目を集めています。中でも、特に勢いを見せているのがエンタープライズ向けAIソフトウェアを手がけるパランティア・テクノロジーズ（PLTR）です。
米国の投資情報サイト「モトリーフール」では、同社に関する興味深い分析記事が公開されています。本記事では、その内容を紹介しながら、今後の投資判断に活用できるポイントをまとめていきます。
驚異の株価上昇と過去のテック企業との比較
記事によると、パランティアの株価は過去1年で361%も上昇し、時価総額は2,500億ドルを超える規模にまで拡大しました。その際立った成長とともに、現在の株価売上高倍率（P/S）は約91倍という非常に高い水準に達しています。
過去に注目されたテクノロジー企業──例えばシスコ・システムズ（CSCO）やアマゾン・ドット・コム（AMZN）、さらにはエヌビディア（NVDA）と比較しても、このバリュエーションは歴史的に見て極めて高いものです。記事では、ドットコム・バブル期や近年のAIブームを振り返りながら、過熱感と今後の見通しについて冷静に考察されています。
株価の調整は避けられない？しかし長期視点では明るい兆しも
モトリーフールでは、「バリュエーションの圧縮は避けがたい」としつつも、それがすぐに企業の価値低下につながるわけではないと指摘しています。実際に、シスコやアマゾン、エヌビディアといった企業も、バブル後にバリュエーションは落ち着いたものの、長期的には企業価値が着実に上昇しています。
こうした過去の例からも、短期的な価格調整を過度に恐れるよりも、パランティアが中長期でどう成長するかに着目すべきとモトリーフールは指摘しています。
今は買い時なのか？
記事では、AI分野が現在バブルと呼ばれるような状況にはない点を強調しつつ、パランティアの将来的な成長余地にも注目しています。その上で、現時点では「ドル・コスト平均法」で時間を分散させた投資を行うことが有効と結論づけています。
一気に資金を投じるのではなく、長期保有を前提とした戦略で少しずつポジションを構築していくことで、株価の変動リスクを和らげながら中長期的なリターンを狙うことができると記事は述べています。
＊過去記事はこちら パランティア PLTR