【急騰22%】トレードデスクが復活!AIプラットフォーム「Kokai」の威力とは?

2月に発表された2024年第4四半期決算で32四半期ぶりの予想未達となり、市場から厳しい評価を受けたデジタル広告企業のトレードデスク(TTD)。しかし、5月8日に発表された2025年第1四半期の決算でその評価を覆し、株価は一時22%も急騰しました。本記事では、同社が見せた“復活の兆し”の実態と、今後の投資判断に必要な要素を掘り下げていきます。

業績のインパクト──予想を大幅に上回る成長

同社の第1四半期決算では、売上高が6億1,600万ドルと市場予想(5億7,530万ドル)を大きく上回りました。調整後1株利益(EPS)も0.33ドルとなり、アナリスト予想の0.25ドルを大幅に上回る好結果となりました。

特筆すべきは、これが“偶然の回復”ではなく、明確な成長戦略とプロダクトの進化によって実現された点です。第4四半期に課題となったAIプラットフォーム「Kokai」は、第1四半期には約3分の2のクライアントに導入され、順調に定着が進んでいます。

投資家心理を揺るがす株価の動き

決算発表後の9日の米国市場で株価は一時22%上昇し、73.01ドルを記録しました。1日の上昇率としては、2023年2月以来の大幅な伸びとなりました。モルガン・スタンレーとキーバンク・キャピタル・マーケッツはともに目標株価を80ドルに引き上げ、「オーバーウェイト(買い推奨)」の評価を維持しています。

この株価上昇は、前回の下落を“過剰反応”と評価する投資家が増えつつあることを示唆しており、長期投資家にとっては「安値拾いの好機」となった可能性があります。

Kokaiの成長と組織改革が牽引する未来

トレードデスクは「Solimar」から「Kokai」への移行期に一時的なパフォーマンスの鈍化を経験しましたが、現在は機能面・導入面ともに安定し始めています。特に広告インプレッションを秒単位で最適化するKokaiのAIエンジンは、CTV(コネクテッドTV)やリテールメディア市場での競争力を大きく引き上げています。

さらに、経営陣はプロダクト・エンジニアリング・営業チーム間の連携強化を図り、「ここ数年で最も生産性が高まっている」とコメントしています。こうした構造的な改革は、単なる一時的な反発ではなく、持続的成長の下地と見ることができます。

今後の見通し──依然として割安な成長株?

第2四半期については、売上高6億8,200万ドル(前年比+17%)を予想。これには自動車やパッケージ消費財業界の予算縮小といったマクロ的な逆風も織り込まれており、保守的なガイダンスを出す同社の姿勢を考えると、実績の上振れも十分に期待されます。

現在の株価は、2026年予想売上高の約10倍、PER(株価収益率)で約34倍とされており、過去3年平均のPER(約55倍)と比較すると割安な水準です。


まとめ:短期の不安定さを超えて、中長期の成長が視野に

2024年第4四半期の失速は市場にショックを与えましたが、第1四半期の力強い回復は、Kokaiの本格導入と組織改革の成果を示すものでした。CTVやリテールメディアといった今後の成長分野でのポジショニング、そして95%超の高い顧客維持率を武器に、トレードデスクは再び“成長企業”としての評価を取り戻しつつあります。

長期的視点での資産形成を目指す投資家にとって、今回の決算はポジティブなシグナルと言えそうです。

*過去記事はこちら トレードデスク TTD

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