アメリカの有力投資情報誌「バロンズ」が、セールスフォース(CRM)に対する強気の見方を示しています。同社は5月28日に決算発表を予定しており、その内容次第では株価上昇のきっかけとなる可能性があると指摘されています。本記事では、バロンズの記事内容をもとに、セールスフォースの投資妙味についてご紹介します。
マイクロソフト好決算が追い風に
4月30日に発表されたマイクロソフト(MSFT)の好決算が、AI関連ソフトウェア企業全体にポジティブな波及効果をもたらしました。この決算によって、企業のIT投資、とりわけAIへの支出が堅調に続いていることが確認され、ソフトウェア株の上昇を後押ししています。
この流れを受け、セールスフォースも恩恵を受ける可能性があるとバロンズは分析しています。
セールスフォースの業績見通し
市場では、セールスフォースの売上が前年同期比6.7%増の99億5000万ドルになると予想されています。1月に発表されたガイダンスでは、為替の影響で若干のマイナス要因が見込まれていましたが、現在はドル安により追い風が吹いています。過去の実績を踏まえると、この予想は保守的とみられており、上振れの可能性もあります。
注目の新AI製品「エージェントフォース」
バロンズは、セールスフォースが3月の開発者会議で発表したAI新製品「エージェントフォース」に注目しています。この製品は、データの変化に応じて自動的に機能を更新し、他のアプリケーションと柔軟に連携することが可能です。これにより、企業の意思決定やコスト削減が一層効率化されると期待されています。
キャッシュフローと株価の割安感
セールスフォースはAI関連の年間収益が前年比で2倍以上に拡大しており、今後も価格戦略や効率化によって収益性の向上が見込まれます。フリーキャッシュフローの成長も堅調で、アナリストの間では中長期的に2桁成長を維持するとの見方が広がっています。
株価指標で見ても、今後12か月のフリーキャッシュフローに対する株価は19倍と、業界平均と比べて割安水準にあります。バロンズは、あるアナリストが目標株価を405ドルに設定しており、現在の株価(5月7日時点で278.23ドル)から46%の上昇余地があることを紹介しています。
まとめ
バロンズの記事では、マイクロソフトの好調な決算や、セールスフォースのAI戦略、新製品、収益性など多方面から同社を評価しています。決算発表前の今、同社の成長性に着目して投資判断を検討する価値は十分にあると言えそうです。