ダッチ・ブロスが売上見通しを上方修正、スターバックスとの差別化が奏功

  • 2025年5月8日
  • 2025年5月8日
  • BS余話

第1四半期決算を5月7日に発表した米国のドライブスルー型コーヒーチェーンであるダッチ・ブロス(BROS)は、2025年の売上高見通しについて強気の姿勢を示しました。同社は、「継続的な勢い」による好調な販売動向を背景に、2025年の売上高を155億5,000万ドル〜157億5,000万ドルと予想しており、既存店売上の成長率も2〜4%になるとしています。

この発表は時間外取引で一時的な株価上昇を引き起こしましたが、その後はわずかに下落して取引を終えました。なお、過去1年間で株価は81%上昇しており、注目度の高い銘柄となっています。

フレーバー重視のメニューが若年層に支持

ダッチ・ブロスのメニューは、冷たいカフェイン飲料を中心に、豊富なフレーバーを取り揃えている点が特徴です。こうした「デカダンス(贅沢感)」を重視するトレンドが、クラシックなコーヒーを提供するスターバックス(SBUX)との差別化につながっていると見られています。

実際、ダッチ・ブロスは第1四半期に30店舗を新規オープンし、売上高は29.1%増の3億5,520万ドルとなり、市場予想(3億4,430万ドル)を上回りました。既存店売上は4.7%増加し、うち取引数は1.3%の増加となりました。調整後の1株利益は14セントで、こちらも予想を上回る結果です。

貿易摩擦への影響は限定的、価格も安定

最高財務責任者のジョシュ・ゲンサー氏は、現在のマクロ経済の変化に柔軟に対応できるとの見方を示しました。コストの一部に関わる関税リスクについても「限定的」とし、製品販売にかかるコストのうち国際調達に起因するのは10%未満であると述べています。

特に、ブラジル、コロンビア、エルサルバドルから輸入しているコーヒー豆については、現在10%の関税が課されていますが、2025年に向けての価格はすでにほぼ固定化されており、既存のガイダンス内で対応可能としています。

スターバックスとの比較が鮮明に

一方で、スターバックスは最近の決算で既存店売上と取引数がともに減少しています。多様なフードメニューやカスタマイズによる複雑化が店舗運営を圧迫し、顧客の離脱につながっていると考えられています。

小売店舗の来店分析を行うPlacer.aiによると、ダッチ・ブロスの来店者数は前年同期比で13.4%増加した一方、スターバックスは減少傾向にあるとのことです。

Placer.aiは、「スターバックスやダンキンといった大手チェーンに対し、小規模ながら成長しているコーヒーチェーンの方が、消費者にとって『ユニークで贅沢な体験』を提供しており、限られた可処分所得をそちらに振り向ける傾向が見られる」と分析しています。

今後の成長戦略に注目

今回の決算は、ダッチ・ブロスが独自性を武器に消費者の支持を得ており、スターバックスとは異なる戦略で成果を上げていることを浮き彫りにしました。新店舗の拡大とブランド価値の強化を続けることで、今後も堅調な成長が期待されます。

*過去記事「市場急落は買いのチャンス?ダッチ・ブロスに今投資するべき3つの理由

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