ウォルト・ディズニー(DIS)の株価が急上昇しました。5月7日の米国市場開始前に発表された決算で、ウォール街の予想を上回る利益を計上し、さらにアラブ首長国連邦アブダビに新しいテーマパークを建設する計画を発表したことが材料視されています。
市場予想を上回る好決算
ウォルト・ディズニーは調整後1株当たり利益を1.45ドルと発表し、前年同期比で7%増の236億ドルの売上高を記録しました。アナリストの予想は、1株利益が1.19ドル、売上高が231億ドルとされていたため、両指標ともに市場予想を上回る内容でした。
この発表を受けて、同社の株価は7日午前の市場で11.2%上昇し、102.5ドルとなりました。
テーマパーク部門の堅調な成長
同社の「エクスペリエンス」部門(テーマパークなどを含む)の売上高は、前年同期比で6%増の89億ドルに達しました。市場予想の87億ドルを上回っており、米国におけるインフレ懸念や消費抑制の中でも、堅調な観光需要が確認された形です。
アブダビへの進出で中東市場を開拓
決算発表と同時に、ウォルト・ディズニーはアブダビのヤス島に新たなテーマパークを建設する計画を発表しました。このプロジェクトは同社にとって7つ目のテーマパークとなり、中東地域では初の展開です。
同社のエクスペリエンス部門の責任者であるジョシュ・ダマロ氏は、「この画期的なリゾートは、テーマパーク開発における新たなフロンティアとなる」と述べました。
建設および運営はアラブ首長国連邦の企業であるMiralが担当し、ウォルト・ディズニーは自社の知的財産をライセンス提供する形で、収益に応じたロイヤリティを受け取る契約となっています。なお、パークの開業時期や規模については、10-Q報告書では明らかにされていません。
ストリーミング部門の収益も好調
ディズニー+を含むストリーミング部門は、四半期中に250万人の新規加入者を獲得しました。営業利益は前年同期の4700万ドルから3億3600万ドルへと大幅に増加しました。
年間業績見通しも上方修正
ウォルト・ディズニーは、2025年度(9月期)の調整後1株利益が5.75ドルに達する見込みと発表しています。市場予想の5.43ドルを上回る見通しで、業績の回復が進んでいることがうかがえます。ただし、同社はマクロ経済環境の変化には引き続き注意を払っていくとしています。
株価パフォーマンスと競合比較
2025年に入り、ウォルト・ディズニーの株価は年初来で17%下落していました。これはS&P500指数の4.7%の下落と比較しても大きな落ち込みです。一方で、競合のネットフリックス(NFLX)は28%の上昇を記録しており、コムキャスト(CMCSA)は8.1%の下落となっています。
今回の好決算と成長戦略の発表により、ウォルト・ディズニー株には再評価の動きが広がる可能性があります。
*過去記事はこちら「ディズニー DIS」