アプラビン決算で広告収入71%増!時間外取引で株価13%急騰のワケ

  • 2025年5月8日
  • 2025年5月8日
  • BS余話

米モバイル広告技術企業のアプラビン(APP)は、2025年第1四半期の決算で広告収入が前年同期比で71%増の11億6,000万ドルに達したと発表しました。これは同社のガイダンスである約10億5,000万ドルを大きく上回る数字です。

さらに第2四半期についても、広告収入が11億9,500万ドルから12億1,500万ドルの範囲になると見込んでおり、成長の勢いが続く見通しです。これらの好材料を受け、決算発表後の時間外取引では同社株が一時13%上昇する場面が見られました。投資家の関心が再び高まっていることがうかがえます。

広告市場では、経済の先行き不透明感や貿易摩擦、消費者の支出抑制といった懸念が高まっていましたが、アプラビンの決算はこれらの懸念を和らげる内容となりました。

総売上も市場予想を上回る結果に

同社の第1四半期の総売上は14億8,000万ドルで、前年同期比40%増となりました。これはファクトセット調べの市場予想の13億8,000万ドルを大きく上回る結果です。

また、GAAPベースの1株あたり利益は1.67ドルで、市場予想の1.44ドルを超える実績を記録しました。

ライバル企業ユニティ・ソフトウェアとの対照的な結果

同日に決算を発表したユニティ・ソフトウェア(U)は、売上が4億3,500万ドルと市場予想を上回ったものの、前年同期の4億6,000万ドルから減少しました。また、第2四半期のガイダンスは4億1,500万ドルから4億2,500万ドルの範囲にとどまり、ファクトセットの予想(4億2,700万ドル)を下回っています。

このように、アプラビンの好決算はライバル企業との比較においても際立っています。

ゲーム事業の売却と新たな成長戦略

アプラビンは、モバイルゲーム事業をトリプルドット・スタジオに4億ドルで売却することに合意したと発表しました。さらに、同社はトリプルドット・スタジオの約20%の持分も取得する予定です。

バンク・オブ・アメリカ証券のアナリストによると、アプラビンはエンタープライズソフトウェア分野における有力銘柄の一つであり、今後の成長要因として、小規模なEC事業者を対象とした新たな広告プラットフォームの存在が評価されています。これはまだ市場予想に織り込まれていないと指摘されています。

株価は過去12か月で約300%上昇

アプラビンの株価は過去12か月で約300%上昇しており、S&P500種指数(SPX)の約9%の上昇を大きく上回っています。ただし、2025年に入ってからはやや調整局面にあり、年初来で6%の下落となっています。S&P500種指数は同期間に4%下落しています。

広告市場の展望と投資家の注目点

アプラビンの好決算と前向きなガイダンスは、広告業界が経済的逆風を乗り越える可能性を示しています。特に、生成AI技術やEC向けの新プラットフォーム開発といった成長分野での展開が、今後の株価や収入成長に大きく寄与することが期待されます。

このような強い業績と戦略的な動きは、今後の投資判断において注目すべきポイントといえます。

*過去記事「アプラビン株に買いの好機、モルガン・スタンレーが強気判断

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