エヌビディアCEOが警告「中国市場500億ドルを失う」米政府の輸出規制に異議

半導体大手エヌビディア(NVDA)のジェンスン・フアンCEOは、アメリカ政府による対中国半導体輸出規制について、「同社は500億ドル規模の市場を失おうとしている」との懸念を示しました。発言は5月6日にカリフォルニア州で開催されたミルケン・インスティテュート年次総会で行われ、アメリカ政府の政策が中国の軍事力抑制に繋がらないとの見解も語られました。

フアンCEO「軍事目的なら中国は既存のリソースを利用する」

フアン氏は、「敵対国の政府は、自国内にあるコンピューティング能力によって軍事目的が制限されることはない」と指摘しました。つまり、アメリカが先進的な半導体の輸出を制限しても、中国が既存のエヌビディア製チップを使って軍事開発を進めることは可能だというのです。

「中国にはすでに数百万個のエヌビディア製チップが存在している」とフアン氏は述べ、輸出規制による実効性に疑問を投げかけました。

ファーウェイの存在とアメリカ技術のグローバル標準化への影響

さらにフアン氏は、中国の通信機器大手ファーウェイ(Huawei)について「非常に強力な競合企業」と評し、エヌビディアが市場から退いた場合に代替供給者となる可能性を指摘しました。もしエヌビディアの半導体が中国市場から排除されれば、アメリカのAI技術がグローバル標準になるチャンスを逃すとも警鐘を鳴らしています。

500億ドル市場の損失はボーイング全社分に匹敵

フアン氏は、中国におけるAI半導体市場が数年以内に500億ドル規模に成長すると見込んでいます。「この市場規模はボーイングの企業全体と同等だ」との発言もあり、輸出規制がアメリカ経済に与える影響は小さくないと強調しています。

エヌビディアの株価動向と今後の展望

2025年に入ってから、エヌビディアの株価は年初来で15%下落していますが、4月初旬の安値からは28%回復しています。中国市場へのアクセスが制限されることで、将来的な成長余地が狭まる懸念があるものの、AI需要の高まりとともに株価の回復も見込まれています。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

最新情報をチェックしよう!
>

幸せな生活作りのための米国株投資。
老後資産形成のための試行錯誤の日々を報告していきます。
皆様の参考になれば幸いです。

CTR IMG