サイバーセキュリティ分野で高い評価を受けているクラウドストライク(CRWD)が、全従業員のおよそ5%にあたる約500人のレイオフを実施することを明らかにしました。これは5月7日に提出された規制当局への書類で正式に発表されたもので、戦略的な効率性の向上を目的とした再編の一環となります。
クラウドストライクは、2026年1月31日までの会計年度を通じて、顧客対応およびプロダクトエンジニアリングといった戦略的分野では引き続き採用を継続する方針です。
AI導入による採用計画の見直し
クラウドストライクのCEOであるジョージ・カーツ氏は、従業員宛ての書簡の中で、今回のレイオフの背景に人工知能(AI)の導入があると述べています。AIの活用により、製品の開発スピードや市場投入までの時間短縮が可能になり、さらに営業活動や業務全般における効率化が実現されているとのことです。
「AIは採用のカーブを平坦化させ、アイデアから製品までのプロセスを迅速にする。市場投入までの流れを効率化し、顧客満足度の向上と前線・後方業務の全体的な効率化に寄与している」とカーツ氏は述べています。
財務への影響と市場の反応
今回のレイオフに伴う費用は、総額で3,600万ドル〜5,300万ドルと見込まれています。このうち700万ドルは2026年度第1四半期に計上され、残りは第2四半期に反映される予定です。
この発表を受け、クラウドストライクの株価は7日のプレマーケットで2%あまり下落しました。市場はこの人員削減を短期的なコスト増と受け止めている可能性がありますが、同時にAIによる業務効率化が長期的には利益率改善につながるとの期待もあると考えられます。
今後の見通し
クラウドストライクは今後も戦略的な分野への投資を継続するとしており、AIを中心とした業務の最適化を通じて競争力をさらに高める姿勢を見せています。サイバーセキュリティ市場が拡大する中、同社がどのようにテクノロジーを活用して成長を遂げていくのか、注目が集まっています。
*過去記事はこちら クラウドストライク CRWD