トランプ大統領の国防費1兆ドルが防衛株を動かす!注目の買い銘柄とは

  • 2025年5月6日
  • 2025年5月6日
  • BS余話

米国のトランプ大統領が発表した2026年度の国防予算案は、防衛産業にとって大きな注目材料となっています。特に、13%増の1.01兆ドルという防衛支出の大幅な増加が、株式市場で防衛関連銘柄への関心を高めるきっかけとなっています。

国防支出増加のインパクトと市場の評価

今回の予算案に含まれる13%の国防支出の増加は、防衛関連株にとってポジティブな要素です。特に、現在の防衛株のバリュエーションが、産業株に対して約15%割安であるという点は注目です。ウェルズ・ファーゴのアナリスト、マシュー・エイカーズ氏は、防衛予算が横ばいの時期と同程度のバリュエーションであるとの見解を示しています。

各銘柄の評価とバリュエーション

ロッキード・マーティン(LMT)、ノースロップ・グラマン(NOC)、L3ハリス・テクノロジーズ(LHX)、ゼネラル・ダイナミクス(GD)、ハンティントン・インガルス・インダストリーズ(HII)などの主要防衛企業は、2025年の予想利益に対して平均18倍のPERで取引されています。これに対し、S&P500指数は約22倍とされています。

業界アナリストの見解と懸念

今回の予算案は市場にとってポジティブな材料ですが、すぐに株価上昇につながるとは限りません。キャピタル・アルファ・パートナーズのアナリスト、バイロン・キャラン氏は、「まだ道のりは長い」とし、予算案が初期段階であることや、内部プログラムレビューの結果が重要であると述べています。

また、シティのアナリスト、ジェイソン・ガースキー氏は「この予算案は議会で否決される可能性が高い」と分析しています。共和党は予算を膨らませる手法に否定的であり、民主党は防衛外支出の削減(約1630億ドル)に反対しているためです。

勝者と敗者の見方

ガースキー氏は、防衛関連企業の中でも勝者と敗者を明確にしています。造船、核抑止力、ミサイル防衛の強化が予算に盛り込まれていることから、ハンティントン・インガルス、カルマン・ホールディングス(KRMN)、ノースロップ、RTX(旧レイセオン・テクノロジーズ)が「最大の勝者」とされています。

一方、ロッキード・マーティンやゼネラル・ダイナミクスは「潜在的な敗者」と見られています。しかし、ガースキー氏はこれらの銘柄についても「買い」評価を維持しており、それぞれの目標株価は以下の通りです。

  • ロッキード・マーティン:600ドル
  • ゼネラル・ダイナミクス:335ドル
  • ノースロップ・グラマン:591ドル
  • ハンティントン・インガルス:235ドル
  • カルマン:42ドル
  • RTX:148ドル

他アナリストの評価と推奨銘柄

エイカーズ氏は、ノースロップとL3ハリスを「買い」と評価しています。ノースロップの目標株価は525ドル、L3ハリスは248ドルとしています。

ノースロップ株をカバーするアナリストのうち、57%が「買い」評価をしており、S&P500銘柄の平均(55%)を上回っています。L3ハリスの「買い」評価率は約75%で、目標株価は257ドルとされています。

一方、ロッキード・マーティンとゼネラル・ダイナミクスについては「ホールド」と評価し、人気はやや低めです。ロッキード・マーティンは42%、ゼネラル・ダイナミクスは43%のアナリストが「買い」としています。

ハンティントン・インガルスの「買い」評価率は31%と低めで、目標株価は199ドルです。RTXは69%、カルマンは100%の「買い」評価を得ており、各目標株価はそれぞれ138ドル、40ドルとなっています。

年初来の株価パフォーマンス

年初来のパフォーマンスを見ると、カルマンを除く6社の防衛関連株は平均で約7%上昇しており、S&P500を約10ポイント上回っています。特にハンティントン・インガルスは約22%上昇しており、反発が目立ちます。一方、ロッキード・マーティンは約3%下落と最も弱い動きを見せています。

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