オン・セミコンダクター株が急落!好決算でも嫌われた理由とは?

  • 2025年5月6日
  • 2025年5月6日
  • BS余話

アリゾナ州スコッツデールを拠点とする半導体メーカーのオン・セミコンダクター(ON)の株価が、5月5日の米国市場で8.35%下落し、38.41ドルとなりました。第1四半期の業績は市場予想を上回ったものの、すべての事業セグメントにおいて需要の低迷が続いていることが明らかとなり、投資家心理に影響を与えました。

第1四半期決算は予想を上回るも、全セグメントで減収

オン・セミコンダクターの2025年第1四半期の調整後1株利益は55セントとなり、ファクトセットが集計した市場予想の50セントを上回りました。売上高は前年同期比22%減の14億5,000万ドルとなったものの、市場予想の14億ドルは上回りました。

一方で、特別項目を除いたベースでは4億8,610万ドルの損失を計上し、純損失に転落しました。

第2四半期見通しはやや強気も、慎重な顧客動向が続く

経営陣は、第2四半期の調整後1株利益を48〜58セント、売上高を14億〜15億ドルと予想しています。予想レンジの中央値(EPSは53セント、売上高は14億5,000万ドル)は、アナリスト予想(EPS51セント、売上高14億1,000万ドル)を上回りました。

CEOのハッサン・エル・クーリー氏は「市況の低迷にもかかわらず、我々の経営は引き続き規律を保っている」と述べています。また、自動車および産業機器メーカーとの取引を中心とする同社は、「すべてのエンドマーケットにおいて主要なグローバル顧客との取引を獲得した」と強調しています。

ただし、同社の3つの主要事業部門すべてにおいて、前年同期比および前四半期比で売上高が減少しており、根本的な需要の回復には時間がかかることがうかがえます。

自動車分野と電気自動車市場の課題

前四半期の決算発表時に続き、自動車セグメントにおける需要減少が続く見通しが示されました。特に中国以外の電気自動車市場では回復の兆しが乏しく、これは前四半期でも確認されていた傾向です。

産業市場の「従来型」分野では回復の兆しが見られ、エネルギーインフラ関連も同様に前向きな動きが報告されていますが、全体としては「顧客は依然として慎重な姿勢を保っている」とエル・クーリー氏は述べました。

価格戦略と長期的な市場シェアの防衛

オン・セミコンダクターは、戦略的分野においてシェアを維持・拡大するために価格戦略を用いてきましたが、特定の事業分野では今後も低成長が見込まれており、1桁台前半の売上減少が予測されています。

オン・セミコンダクターの今後の業績は、エネルギー・インフラや産業セグメントの回復ペース、そして中国を除く地域における電気自動車市場の持ち直しに大きく左右されることになりそうです。

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