5月2日の米国市場でパランティア・テクノロジーズ（PLTR）の株価は6.95%上昇し、124.28ドルで取引を終えました。この急騰は、5月5日に予定されている第1四半期決算発表を前に、個人投資家の強い買い意欲が背景にあります。
業績予想と市場の期待
アナリストの予想によれば、パランティアの2025年第1四半期の売上高は8億6,200万ドルで、前年同期比36%の増加が見込まれています。また、調整後の1株当たり利益（EPS）は0.13ドルで、前年同期の0.08ドルから62%の増加が予想されています。
政府部門と商業部門の売上高は、それぞれ37%と35%の増加が見込まれており、特に商業部門の成長が注目されています。
株価の評価とアナリストの見解
一部のアナリストは、パランティアの株価評価に懸念を示しています。ジェフリーズのアナリストであるブレント・シル氏は、同社の株価が2025年の予想利益の69倍で取引されていることを指摘し、「評価が合理的ではない」とコメントしています。
ウォール街のアナリストの間でも意見が分かれており、目標株価は40ドルから130ドルまで幅があります。一方で、個人投資家の支持は強く、現在では全株式の約41%を保有しており、これは通常の水準を大きく上回っています。
今後の展望
パランティアは、AIを活用したソフトウェアプラットフォームを提供しており、政府機関や商業企業に対するサービスを拡大しています。特に、NATOが同社のAI搭載軍事システムを採用したことは、欧州におけるアメリカの防衛企業への依存度低下に対する懸念を和らげる要因となっています。
ただし、今後の成長には、商業部門の拡大やAIプラットフォームの収益化が鍵となります。また、高い株価評価に対する市場の反応や、経済全体の動向にも注意が必要です。
パランティアの株価は、AI分野での成長期待と個人投資家の支持により上昇していますが、評価の高さや市場の変動性を考慮すると、慎重な投資判断が求められます。
＊過去記事はこちら パランティア PLTR