マイクロソフト株が長期投資先として注目される3つの理由【決算分析付き】

4月30日の決算発表を受けて、マイクロソフト(MSFT)株は翌日5月1日の取引で急騰。市場開始直後の上昇率は9.2%に達し、決算後の1日としては過去10年で最高のパフォーマンスを記録しました。これにより、同社の時価総額は一時的に2,700億ドル以上増加し、3.21兆ドルでアップル(AAPL)を抜いて米国企業で最も価値のある企業となりました。

以下では、マイクロソフト株が長期投資先として注目される3つの理由を決算内容から読み解いていきます。

AIとクラウドの両輪で成長持続、Azureが再加速

今回注目されたのは、Azureのクラウドサービスにおける成長の「中身」です。成長率は為替一定ベースで35%に達し、前四半期の31%から明確な加速を見せました。そのうち16ポイント分を生成AI関連のワークロードが占める一方で、残りの非AI領域でも成長が回復している点が重要です。バーンスタインのアナリスト、マーク・マードラー氏は「クラウド移行の加速が非AI Azureの安定化を支えている」と指摘しています。

クラウドインフラとしての競争力だけでなく、AIワークロードの拡大に対応できる体制を構築していることが、今後の成長を強く支える材料となりそうです。

AI製品「Copilot」の商用化が新たな収益源に

Microsoft 365やGitHubに統合された生成AIアシスタント「Copilot」の導入が企業ユーザーの間で進んでいます。企業ごとの契約単価(deal size)が拡大しており、より多くの従業員に対してCopilotを展開する動きが広がっています。

これは単なる機能追加ではなく、新たな定期収益モデルとして成長している証左です。Copilotは今後、SaaSモデルにおける一段高いARPU(ユーザー単価)を実現し、利益成長の大きな柱となる可能性があります。

高水準の投資と利益率の両立で財務体質が盤石

AI関連インフラへの積極投資が続く中、マイクロソフトの設備投資は前年同期比52%増の167億ドルに達し、市場予想(162億ドル)をわずかに上回りました。それでもなお、同社は通期の営業利益率が前年比で微増する見通しを維持しています。

エバコアISIのカーク・マターネ氏は「Azureの成長が再び『ビート&レイズ』モードに入り、投資家心理に好影響を与える」と述べ、投資と利益性の両立を高く評価しています。

クラウドおよびソフトウェア事業の高利益率構造に支えられた財務体質の強さは、将来の成長に向けた投資を行う上での強力な基盤となります。


まとめ:マイクロソフトは今後も長期投資にふさわしい銘柄か?

今回の決算は、マイクロソフトが「クラウド × AI」という2大成長エンジンを同時に加速させていることを如実に示しました。非AI領域の安定、AI領域の拡大、Copilotの商用化という三本柱により、同社は今後も持続的な収益成長を見込める企業として、ポートフォリオの中核に据える価値があります。

次回の決算では、生成AIサービスのマネタイズがどこまで進展するか、そして顧客基盤の拡大が続くかが注目されます。中長期の投資を検討する上で、マイクロソフトは今なお「買い」の評価に値する銘柄と言えそうです。

*過去記事はこちら マイクロソフト MSFT

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