ブロックが通期の粗利益見通しを下方修正、キャッシュアップの伸び悩みが影響

米フィンテック企業のブロック(XYZ)が、2025年の通期粗利益見通しを下方修正しました。これは、同社のキャッシュアップ事業における第1四半期の通常の強さが見られなかったためです。特に、税還付金の流入とそれに伴う消費の勢いが鈍化したことが影響しています。

キャッシュアップ事業の想定外の鈍化

例年、キャッシュアップはモバイルウォレット利用者が税還付金を送金し、その資金を消費に充てることで年初に強いパフォーマンスを示す傾向があります。しかし、今年は2月末から3月にかけて、キャッシュアップカードを使った消費が「控えめ」であったと、最高財務責任者のアムリタ・アフジャ氏が説明しています。利用者からの資金流入も予想を下回りました。

このような状況を踏まえ、ブロックは年間の粗利益見通しを従来の102億2,000万ドルから99億6,000万ドルへと引き下げました。同社は「よりダイナミックなマクロ経済環境の中で事業を運営しており、それを反映した慎重なスタンスを見通しに織り込んだ」と株主向け書簡で述べています。

この発表を受けて、同社株は5月1日の時間外取引で18%以上下落しました。

キャッシュアップの粗利益が市場予想を下回る

第1四半期のキャッシュアップの粗利益は13億8,000万ドルで、アナリスト予想の14億2,000万ドル(ファクトセット調べ)を下回りました。なお、投資家は粗利益を実質的な売上高の指標として注目しています。

アフジャ氏は、食料品やガソリンなどの非裁量支出分野は堅調だった一方で、エンタメや旅行などの裁量支出分野は振るわなかったと述べています。

スクエア事業は堅調に推移

一方で、ブロックのスクエア事業ではそのような弱さは見られませんでした。スクエアは小売業者向けにハードウェアとソフトウェアを提供しており、第1四半期も堅調な成長を維持しました。特に食品・飲料といった最優先の業種でのシェア拡大が確認されたといいます。

また、同社は複数の販売者向けアプリを統合し、単一のPOS(販売時点情報管理)システムへの移行を進めており、これが大手のクイックサービスレストランの新規導入にもつながっています。

アフジャ氏は「製品カタログの幅広さやフィールドセールスチームの働きが、販売者獲得に寄与している」と語っています。

スクエアの粗利益は8億9,800万ドルで、アナリスト予想の8億8,500万ドルを上回りました。

調整後EBITDAは市場予想を上回る

全体としての調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は8億1,300万ドルとなり、こちらもファクトセット調べによる市場予想の7億9,100万ドルを上回りました。

アフジャ氏は「事業の効率性に注力しており、今年の残りの期間については、前年比でのマージン拡大を見込んでいる」と述べています。

*過去記事「ブロック株が急落、それでも強気のアナリストの見解とは?

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