メタ株が時間外で急騰!好決算とAI投資の真価を徹底分析

メタ・プラットフォームズ(META)は4月30日に発表した2025年第1四半期決算で、1株当たり利益(EPS)が6.43ドルと、市場予想の5.23ドルを大きく上回りました。前年同期の4.71ドルからも大幅な増加となり、収益性の高さを改めて示しました。

売上高も前年比16%増の423億ドルとなり、事前予想の413億ドルを上回りました。広告事業が収益の98%を占める同社にとって、ユーザー数と広告表示数は予想通りでしたが、広告単価の上昇率が前年比10%と、市場の予測を大きく上回りました。

設備投資の見通しが投資家心理に影を落とす

今期の設備投資は140億ドルにとどまりましたが、年間見通しは従来の600億〜650億ドルから640億〜720億ドルへと引き上げられました。これにより、今後9か月で最大580億ドルの追加投資が行われる可能性があります。

このような背景から、今期の自社株買いは前年同期比11%減となり、前四半期の買い戻しゼロに続いて、株主還元姿勢がやや弱まった印象を与えました。

AI関連の長期投資に自信を示す

決算説明会では、CEOのマーク・ザッカーバーグ氏が今後の投資リターンについて、「広告の改善」「より魅力的な体験」「ビジネスメッセージ」「Meta AI」「AIデバイス」の5つの柱を挙げ、これらがすべてAIモデルとインフラの強化を前提とした長期的取り組みであると説明しました。全ての領域で成功しなくても高い投資収益率が期待できると強調しています。

第2四半期ガイダンスと為替影響

メタ・プラットフォームズは、第2四半期の売上高を440億ドル(中央値)とガイダンスし、こちらも市場予想を上回りました。また、通年の支出見通しをわずかに引き下げた点も好感されました。これは2024年末から人員が4%増、前年比で11%増加している状況下では注目に値します。

第1四半期には、ドル高の影響で年間売上高成長率に対して3%のマイナス圧力がかかっていましたが、2025年のドル安傾向により、第2四半期には逆に1%のプラス効果が期待されています。

国際市場への依存と地政学的リスク

メタ・プラットフォームズの売上高の約3分の2は米国外からのものであり、今後の国際広告需要の動向には注視が必要です。特に、中国からの広告主であるTemuやSheinなどが2024年売上高の11%を占めていましたが、新たな関税の影響により広告出稿動向に変化があるかもしれません。

Temuは米国内に在庫を抱えているものの、中国から発送される商品には最大143%の「輸入手数料」が加わっており、超低価格戦略への影響は避けられない見通しです。

欧州からの規制圧力も強まる

欧州では、EUの「デジタル市場法(DMA)」および「デジタルサービス法(DSA)」に基づく規制が強化されており、最新の制裁金として2億ユーロ(約2億2800万ドル)が課されました。これまでの小規模な制裁金とは異なり、DMAでは最大で年間売上高の20%、DSAでは7%の罰金が科される可能性があるため、同社の事業運営にも影響が出る可能性があります。

欧州地域は2024年の売上高の23%を占めており、前年比で23%の増収を記録している重要な市場です。

株価は時間外で上昇

決算発表を受けて、メタ・プラットフォームズの株価は時間外取引で5%上昇しました。堅調な業績と前向きなガイダンスが市場に好感された一方で、設備投資の加速と国際的なリスクが今後の焦点となる可能性があります。

*過去記事 メタ・プラットフォームズ

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