ビザが新たに3,000億ドルの自社株買い発表!最新決算内容を徹底解説

アメリカ・サンフランシスコに本社を構えるビザ(V)が発表した2025年度第2四半期(1月〜3月)の決算は、複雑な内容となりました。調整後の1株利益は市場予想を上回りましたが、調整前の利益は前年同期比で減少し、ウォール街の予想を下回りました。

売上高や決済取扱件数、取引量は前年より増加し、堅調な消費動向が見られたことから、決算発表後の時間外取引では株価が0.8%上昇しました。

売上高は予想を上回る伸び

同社の第2四半期売上高は96億ドルで、前年同期比で9%の増加となりました。これは市場予想の95億5000万ドルを上回る結果です。

しかし、純利益は46億ドルとなり、前年の46億6000万ドルから2%減少しました。1株あたり利益は2.32ドルと、アナリストの予想である2.66ドルを下回りました。一方、特定項目を除いた調整後1株利益は2.76ドルとなり、予想の2.68ドルを上回りました。

2025年通期見通しは据え置き

ビザは2025年通期の業績見通しを据え置きました。これは、先行き不透明な経済状況の中でも企業としての自信の表れとして投資家に安心感を与える内容です。

加えて、同社は新たに3,000億ドル規模の自社株買いプログラムを複数年にわたって実施することを発表しました。2025年の第1四半期だけでも45億ドル相当の株式を買い戻しています。

消費は堅調も景気後退懸念が影を落とす

経済に不確実性が漂う中でも、消費者の支出は引き続き堅調です。特に高所得者層の消費が全体を支えている状況です。ただし、トランプ政権と主要な貿易相手国との間での緊張が消費者心理に影響を与え、景気後退のリスクが高まっています。

景気の減速が現実のものとなれば、ビザをはじめとする決済関連企業の収益にマイナスの影響を与える可能性がありますが、現時点では消費行動に大きな鈍化は見られていません。

株価は年初来で上昇、今後の戦略発表にも注目

2025年に入ってからの株価は8.7%上昇しており、S&P500指数が5%下落している中で相対的に堅調なパフォーマンスを示しています。

今週には、ビザの経営陣が人工知能(AI)や消費者支出に関連した新しい製品、ソリューション、テクノロジーパートナーを発表するイベントを予定しており、今後の戦略への注目が集まっています。

米国株投資において、決済インフラを支える企業としてのビザの役割は今後も重要です。今後の景気動向とともに、同社の取り組みにも注視していく必要があります。

*過去記事「米国株の調整はチャンス?バロンズが選ぶ今買うべき大型成長株6選

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