任天堂(7974)が6月5日に発売予定の「Switch 2」によって、今後数年間で大幅な利益成長が見込まれています。これを受け、米国の証券会社ジェフリーズのアナリストであるアトゥル・ゴヤル氏は、任天堂株の「買い」評価を改めて強調し、目標株価を15,440円から15,580円へ引き上げました。これは4月29日現在の株価水準から37%の上昇余地を示しています。
Switch 2がもたらす新たなエコシステムとは
ゴヤル氏はSwitch 2について「任天堂のエコシステムにおける歴史的な転換点」であり、「主要ゲーム会社から前例のないサードパーティ(3P)サポートが得られている」と述べています。新型コンソールは、発売当初から強力なサードパーティ製タイトルがラインアップに加わっている点が大きな特徴となっています。
Switchの初代モデルが成功を収める過程で、任天堂は他のパブリッシャーとの関係を大きく改善しました。これにより、Switch 2ではこれまでにないソフトウェアの支援を受け、今後3年間で営業利益が4倍以上に拡大すると予想されています。
任天堂の強力なIP(知的財産)戦略
ゴヤル氏は「任天堂はゲーム業界で最も強力なIPポートフォリオを保有している」と指摘しています。マリオ、ゼルダ、ポケモンといった人気キャラクターやシリーズが、今後も売上成長をけん引する大きな要素となる見込みです。
また、任天堂は今月初め、Switch 2の価格を一時的に未定としましたが、最終的には449.99ドルで据え置くことを発表しました。関税の影響による不透明感が一時的に広がったものの、価格が維持されたことで消費者の関心も高まっています。加えて、「マリオカートワールド」と「ドンキーコングバナンザ」のゲームソフト価格もそれぞれ79.99ドル、69.99ドルに設定され、変更はありませんでした。
任天堂株は年初来39%上昇中
任天堂の米国預託証券(ADR)は29日の米国市場で横ばいとなりましたが、年初来では株価が39%上昇しています。Switch 2の発売に向けて今後さらに注目が集まる中、現在の株価水準から見ても投資妙味が高いと考えられます。