マイクロソフト決算発表間近、AI投資・クラウド業績・顧客動向に注目集まる

マイクロソフト(MSFT)の2025年第3四半期決算が、4月30日の米国市場の取引終了後に発表されます。今回の決算では、人工知能(AI)関連投資、クラウドビジネスの成長率、企業顧客の動向といった点が市場の注目を集めています。

決算予想:売上高・利益ともに前年を上回る見込み

調査会社ファクトセットによると、アナリストの予想では、調整後1株当たり利益は3.22ドル、売上高は684億ドルとされています。これは、前年同期の2.94ドル、619億ドルをいずれも上回る水準です。

また、今四半期の設備投資額は162億ドルと見込まれており、前年同期の110億ドルや前四半期の158億ドルを上回ると予想されています。

クラウド事業の減速懸念

マイクロソフトのクラウド部門、特にAzureおよび関連サービスの成長率に対する市場の関心も高まっています。1月の発表では、これらのクラウド収益は前年同期比31%増と報告されましたが、前四半期の33%増からは減速しています。今回の決算でさらなる減速が見られた場合、投資家心理にマイナス影響を及ぼす可能性があります。

AI投資の継続性とガイダンスに注目

AI関連の巨額投資も引き続き注目されている分野です。マイクロソフトは今年、AI関連で約800億ドルの支出を予定していると公表しています。ただし、経済環境の先行き不透明感から、この見通しが見直される可能性も指摘されています。

マイクロソフト クラウドオペレーション部門の責任者であるノエル・ウォルシュ氏は、LinkedInの投稿で「一部の初期段階のAIデータセンター計画を減速または一時停止している」と明かしており、決算発表後のカンファレンスコールでの最新情報が注目されます。

貿易政策の影響とマクロ環境

トランプ政権による関税政策の影響も無視できません。Xboxやタブレットといった製品が対象となる可能性があり、価格上昇を通じて需要に影響を与える可能性があります。加えて、企業のIT支出が鈍化すれば、同社の法人向けサービスにもマイナス影響が出る懸念があります。

市場のセンチメントは分かれる

投資家の間では意見が分かれています。AI投資の防御性や同社のリーダーシップに期待する声がある一方で、データセンター投資の鈍化がAIの供給過剰を示しているとの見方もあります。

トゥルイスト証券のアナリスト、ジョエル・フィッシュバイン氏は、「決算内容自体は市場予想を上回る可能性があるが、マクロ経済の不透明感を背景に保守的なガイダンスが示されると見ている」と述べています。同氏は同社株を「買い」と評価しており、目標株価を600ドルとしています。

一方、レイモンド・ジェームズのアナリスト、アンドリュー・マロク氏は、「AI支出の正当性と供給過剰の兆候という、相反するシグナルの中で投資家の見方は二分されている」と述べており、同社株を「アウトパフォーム」と評価、目標株価を480ドルと設定しています。

マイクロソフト株は29日に0.7%上昇し、394.04ドルで取引を終えました。今後の株価動向は、今回の決算内容とガイダンスに大きく左右されることが予想されます。

*過去記事はこちら マイクロソフト MSFT

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