ヒムズ&ハーズ・ヘルス株が23%超急騰!ウゴービ取り扱い開始のインパクトとは?

  • 2025年4月30日
  • 2025年4月30日
  • BS余話

米国ヘルスケア企業のヒムズ&ハーズ・ヘルス(HIMS)の株価は、4月29日の米国市場で前日比23.03%上昇し、終値35.04ドルを記録しました。これは、同社が肥満治療薬「ウゴービ」を取り扱うことを発表したことを受けたものです。これまで競合関係にあったノボ・ノルディスク(NVO)と提携を結び、肥満治療を「よりアクセスしやすく、より手頃で、より一体化されたものにする」という新たなビジョンを打ち出しました。

サンフランシスコに拠点を置くヒムズ&ハーズは、株価が取引中盤で前日比24.2%上昇し、1カ月ぶりの高値を更新しました。この上昇幅は、2025年2月13日に記録した27.7%以来の大幅なものとなります。今年初頭の株価急騰も、減量薬不足により代替薬の販売が可能になったことが追い風となっていました。

一方で、2月下旬には米食品医薬品局(FDA)が減量薬の供給不足解消を発表したため、ヒムズ&ハーズ・ヘルスは第1四半期以降、代替薬の販売を終了することを発表しており、株価は一時大きく下落していました。

ノボ・ノルディスクと提携しウゴービ販売開始

ヒムズ&ハーズは、デンマークに本社を構えるノボ・ノルディスク(NVO)と長期的な提携契約を結んだことを発表しました。ノボ・ノルディスクは、FDAに承認されている減量薬「ウゴービ」と糖尿病治療薬「オゼンピック」の製造元であり、今回の提携によりヒムズ&ハーズの会員は、月額599ドルでウゴービをノボケアファーマシー経由で処方してもらえるようになります。

ノボ・ノルディスクは今年3月初旬、すべての用量のウゴービを月額499ドルで提供すると発表しており、今回の価格設定もそれに近い水準に調整されています。なお、競合のイーライ・リリー(LLY)も自社の減量薬「ゼップバウンド」の価格を、5ミリグラム投与で月額499ドル、7.5ミリグラム投与で月額599ドルに設定しており、肥満治療薬市場で激しい価格競争が繰り広げられています。

肥満治療薬市場で広がる価格競争

今回の発表を受け、ノボ・ノルディスクの米国上場株(NVO)は4.1%上昇し、イーライ・リリー(LLY)も0.9%の上昇となりました。ウゴービとゼップバウンドの価格引き下げ合戦は、今後の市場シェア争いを大きく左右する要因となりそうです。

こうした動きは、消費者にとっても治療コストの負担軽減につながり、肥満治療の普及をさらに促進すると考えられます。

ヒムズ&ハーズ・ヘルスの成長戦略に注目

ヒムズ&ハーズは、ノボ・ノルディスクとともに、肥満治療へのアクセスをさらに拡大するためのロードマップ作成にも取り組んでいると発表しました。これにより、より多くの人々がウゴービなどの先進的な治療薬を利用できる環境が整うことが期待されています。

今回の提携により、ヒムズ&ハーズ・ヘルスは新たな成長ドライバーを手に入れた形となり、今後の業績拡大に対する期待が高まっています。肥満治療市場の拡大とともに、同社の株価動向にも引き続き注目が集まります。

*過去記事「GLP-1減量薬市場の変化:イーライ・リリーが廉価版ゼップバウンドを値下げ

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