エヌビディア株が下落、中国ファーウェイの新AIチップが新たな脅威に

4月28日の米国市場でエヌビディア(NVDA)の株価が下落しました。13時近くの段階で3.8%安の106.79ドルで取引されています。この急落は、人工知能(AI)チップ市場において、中国のファーウェイ・テクノロジーズが新たな競争相手となることが報じられたためです。

ファーウェイの新型AIチップ「Ascend 910D」が市場に登場

ファーウェイは、中国のテクノロジー企業に対し、新しいAIチップ「Ascend 910D」のテストを持ちかけていると、米ウォール・ストリート・ジャーナルが報じました。この新チップは、エヌビディアが2022年に発売した「H100」よりも高性能を目指して開発されています。

エヌビディアはその後、「ホッパー」世代のチップや最新の「ブラックウェル」AI半導体へと技術を進化させていますが、中国市場では販売が厳しく制限されています。エヌビディアは最も高性能なAIチップを中国企業に販売することが禁じられており、ファーウェイは既に「Ascend 910B」と「910C」を80万個以上出荷する準備を進めていると伝えられています。これらは、中国国営の通信会社やバイトダンス(TikTokの親会社)といった民間AI開発企業に提供される予定です。

エヌビディアの中国市場での売上減少

エヌビディアの中国市場における売上は、年々縮小しています。2022年度には全体売上の26%を占めていましたが、2025年度には13%に減少しました。これは、トランプ政権がエヌビディアの「H20 AIアクセラレーター」に対して新たな販売ライセンス要件を課すと発表した影響によるものです。この「H20」は米国の対中制裁に対応するため特別に設計された製品でした。

ただ、海外市場でファーウェイの技術がエヌビディアに大きな脅威をもたらす可能性は低いと見られています。独立系アナリストであるリチャード・ウィンザー氏は、「実質的な脅威は中国国内に限られる」と述べ、国家主導でエヌビディアの開発プラットフォーム「CUDA」からファーウェイのプラットフォームへと移行が進む可能性があると指摘しました。

エヌビディアにとっての明るい材料も

一方で、エヌビディアにとっては明るいニュースもありました。イーロン・マスク氏が率いるAIスタートアップ、xAIが200億ドルの資金調達を目指していると、ブルームバーグが報じました。xAIはエヌビディアのチップを大量に導入しており、調達資金の多くがエヌビディア製品に充てられる可能性があります。

さらに、エヌビディアは、オラクル(ORCL)向けに開発した液体冷却型の「GB200 NVL72ラック」が顧客向けに稼働を開始したことも発表しました。この新しいラックは、数十個のエヌビディア製チップを連結することで、高度なAI処理を可能にする設計となっています。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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