インテル(INTC)は4月24日、2025年1〜3月期の決算を発表しました。調整後1株当たり利益は13セントで、ファクトセットがまとめたアナリスト予想の1セントを大きく上回りました。売上高は127億ドルとなり、こちらも予想の123億ドルを超える結果となりました。
新たに最高経営責任者(CEO)に就任したリップ・ブー・タン氏は、決算発表の中で「第1四半期は前進の一歩となったが、市場シェアを取り戻し持続的な成長路線に乗るには時間がかかる」とコメントしています。
控えめなガイダンスが株価に影響
インテルが示した第2四半期の売上予想は112億〜124億ドルとされ、市場予想の128億ドルを下回りました。また、当四半期の利益見通しは「収支トントン」となっており、アナリストの予想である1株あたり7セントの利益にも届かない内容です。
この発表を受けて、同社の株価は25日の米国市場で約8%下落しました。
関税の不透明感が影響要因に
インテルの最高財務責任者(CFO)であるデビッド・ジンスナー氏は、電話インタビューにおいて、控えめなガイダンスは主に顧客が関税に対して不確実性を感じていることが要因だと述べました。また、一部の顧客が購入を第2四半期から第1四半期に前倒ししたことも要因とされています。
今月、トランプ大統領はスマートフォンやパソコンなど一部の輸入テクノロジー製品に対する145%の関税を免除する措置を発表しました。ただし、半導体や電子機器については、今後新たに発表されるセクター別の関税が適用される見通しです。
中国もこれに対抗し、米国製品に対して関税を課しています。トランプ大統領は、145%の関税率を「大幅に引き下げる」と発言したものの、完全撤廃はしない意向を示しています。
経営体制と職場文化の改革を実施
インテルのタンCEOは、就任後初となる四半期決算において、社内文化の抜本的な改革を進めることを明らかにしました。社内メモでは、「意思決定のスピードを上げるため、不要な会議を削減し、出席者も減らす」と述べています。
また、これまで週3日だった出社日数を週4日に増やす方針で、対面での協業を強化するとしています。さらに、マネージャーの評価基準から「チームの規模」に関する指標を除外し、階層構造の簡素化も進める計画です。
コスト削減と設備投資の見直し
インテルは2025年の営業費用の目標を175億ドルから170億ドルに引き下げました。また、同年の設備投資額についても、従来の200億ドルから180億ドルへと削減しています。
これらの施策は、厳しい事業環境において競争力を高めるための一環として実施されています。
*過去記事「インテルの新CEO、リップブー・タン氏の改革に市場が期待」