ユナイテッドヘルス株が歴史的暴落!27年ぶりの急落、その理由とは?

  • 2025年4月22日
  • 2025年4月22日
  • BS余話

米国の大手医療保険会社であるユナイテッドヘルス・グループ(UNH)の株価が4月21日の米国市場で急落し、1998年以来となる2日間での最大下落幅を記録しました。先週末17日の業績見通しの大幅下方修正を受けて、投資家の間で不安が広がっています。

株価は2日間で27%の下落、1998年の31%以来の急落

21日の15時過ぎの段階で株価は5.7%下落し、1株あたり428.23ドルとなりました。17日の22%の下落と合わせて、わずか2日間で27%の下落となっています。これは1998年8月7日までの2日間で記録した31%の急落以来、最大の落ち込みです。

2025年の業績見通しを大幅に下方修正

ユナイテッドヘルス・グループは、2025年の1株当たり利益見通しを従来の29.50ドル~30ドルから26ドル~26.50ドルへと引き下げました。この見通しの下方修正により、アナリストたちは次々と評価を見直しています。

メディケア・アドバンテージ関連の課題が業績に直撃

業績下方修正の主な要因は、メディケア・アドバンテージ関連の予測が外れたことにあります。ユナイテッドヘルスの保険事業部門であるユナイテッドヘルスケアと、医療サービス部門のオプタムの両方で影響が見られました。

会社側は、メディケア・アドバンテージ加入者の受診率が予想の2倍に達したことを想定しておらず、その影響を受けたと説明しています。また、オプタム部門では、新たに加入した高齢者や、競合他社の市場撤退によって新たなプランを探す必要のあった加入者が増加しました。

モデル変更も影響、しかし中長期的な回復に期待感

CMS-HCCモデルV28への移行も、メディケア・アドバンテージプランのリスク調整支払いに影響を与えました。このモデル変更が、業績見通し引き下げの一因ともなっています。

しかし、アナリストの中には、依然としてユナイテッドヘルスを高く評価する声もあります。オッペンハイマーのアナリストは、「オプタムの問題が業績見通し引き下げの約3分の2を占めたが、同社は依然として業界屈指の運営力を持つ企業であり、2025年中に課題を解決し、2026年にはその影響を和らげることが可能だ」と述べています。

アナリストの大多数が「買い」評価を維持

ファクトセットの調査によると、ユナイテッドヘルスをカバーする29人のアナリストのうち28人が同社を「買い」もしくはそれに相当する評価としており、弱気な見方は少数にとどまっています。

業績の下方修正と株価の急落という短期的な逆風がある中でも、企業としての基盤の強さや市場での優位性に対する信頼は揺らいでいないことがうかがえます。ユナイテッドヘルス・グループが今後どのように戦略を立て直し、回復の道を歩むのか注目が集まります。

*過去記事「ユナイテッドヘルス株が23%急落で過去最大級の下げ!業績下方修正の全貌とは?

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