音声AIがファストフード業界を変える──2024年の資金調達は前年比8倍に急増

  • 2025年4月21日
  • 2025年4月21日
  • BS余話

米国では、ファストフードチェーンを中心に「音声AI」の導入が急速に進んでいます。注文対応や業務効率化を目的としたこの技術は、2024年には約21億ドル(前年比8倍)という過去最大規模の資金調達を記録しました。

ヤム・ブランズやジャージー・マイクスが導入を加速

ケンタッキーフライドチキン(KFC)やピザハットを展開するヤム・ブランズ(YUM)は、エヌビディア(NVDA)と提携して、数百店舗にAIソリューション(音声AIを含む)を導入。米サンドイッチチェーン大手のジャージー・マイクスもサウンドハウンドAI(SOUN)との協業で50店舗に音声AIを試験導入しています。

こうした動きの背景には、人手不足やコスト削減への対応という業界共通の課題があります。AIによる注文対応は、従業員の業務負担を軽減し、サービスの質を向上させる可能性があります。

技術進化と市場拡大

特筆すべきは、近年の音声AIが従来の「音声→テキスト→処理→音声」といったプロセスを脱し、音声を直接処理する方式に進化している点です。この新技術により、人間の会話に近い自然なインタラクションが可能となっています。

この進展を受け、米国ではスタートアップ企業の設立も急増。CBインサイツの調査では、2023年に設立された音声AI関連企業は前年比で2倍となりました。

今後の課題と展望

一方で、音声AIの信頼性にはまだ課題が残ります。マクドナルド(MCD)が音声AIによる注文対応を中止した事例のように、小さなミスがSNSなどで拡散されるリスクもあります。

また、音声AIの受け入れ度は地域によって異なり、欧州では音声ボットに対して慎重な姿勢を示す顧客も多いとの報告もあります。

さらに、処理技術もクラウド型とエッジ型に分かれ、用途や業界ごとに適した選択が求められます。たとえば、医療や金融などの分野では、プライバシーを重視したエッジ処理型が有利とされています。

まとめ

2024年は音声AI市場にとって飛躍の年となりました。ファストフード業界を皮切りに、今後も多様な業界への展開が期待される音声AI。投資家や企業にとって、注目すべき成長分野となりそうです。


記事の内容は、日本経済新聞社とCBインサイツの最新レポートに基づいており、今後の米国株式市場の投資テーマとしても非常に関心の高い分野です。ご興味のある方は、技術の進化と市場の成長性に注目してみてください。

*過去記事「サウンドハウンドAI、10-K報告書の提出を延期し株価が急落

最新情報をチェックしよう!
>

幸せな生活作りのための米国株投資。
老後資産形成のための試行錯誤の日々を報告していきます。
皆様の参考になれば幸いです。

CTR IMG