4月18日の米国市場はグッドフライデーの祝日で休場ですが、米電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)に関して注目すべき動きがありました。17日の取引終了後、バークレイズのアナリストであるダン・レビー氏が、同社の目標株価を従来の325ドルから275ドルへ引き下げたと発表しました。なお、投資判断は「ホールド」を継続しています。
この発表は、4月22日に予定されているテスラの2025年第1四半期決算発表を前に行われたものであり、レビー氏は目標株価の引き下げの理由として「現状の不透明な見通し」を挙げています。
販売台数の大幅な減少
テスラは2025年第1四半期に約33万7000台の車両を納車しましたが、これは前年同期比で13%の減少となり、同社にとって過去最悪の四半期ベースの落ち込みとなりました。さらに、この数字はウォール街の予想よりも約4万台下回っています。
モデルYのモデルチェンジとCEOの政治活動
イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の政治活動によって、テスラの拠点で抗議デモが発生するなど、企業イメージへの影響が懸念されています。加えて、人気車種であるモデルYのモデルチェンジも販売に影響を与えている可能性があります。
関税の影響と販売予測の見直し
米中関係などの影響により関税が引き上げられる可能性もあり、テスラの部品コストに影響を与えることが考えられます。レビー氏は、テスラが2025年に販売台数を伸ばすのは困難であると予想しています。テスラは2023年および2024年ともに約180万台を納車していますが、ウォール街の2025年の予測は当初210万台だったものの、現在は約180万台に下方修正されています。
将来の成長要因も存在
ネガティブな見通しがある一方で、ポジティブな要素も存在します。マスク氏が政治活動よりもテスラに多くの時間を割くようになれば、投資家から好意的に受け止められる可能性があります。
さらに、テスラは2025年後半に低価格の新型車を発売予定で、2025年6月にはロボタクシーサービスの開始を計画しています。これらの施策が予定通りに進めば、投資家心理に良い影響を与えると考えられます。
アナリストの目標株価平均も下落
ファクトセットによると、今回のバークレイズの引き下げにより、テスラ株のアナリスト平均目標株価は327ドルとなりました。これは、イーロン・マスク氏の政治活動が売上に悪影響を及ぼすという懸念が広がる前の2月初旬の381ドルから大きく下落しています。
株価の不安定な動き
最近のテスラ株は不安定な動きを続けています。先週の株価は4.3%下落し、S&P500種株価指数が0.13%の下落にとどまる中、テスラ株は過去13週間のうち11回も値を下げています。
投資家にとって、今後の決算発表や新規事業の進展が注目のポイントとなりそうです。
*過去記事はこちら テスラ TSLA