アメリカの宇宙発射・技術提供企業ロケット・ラブ(RKLB)の株価が4月15日の米国市場で急上昇しました。同社がアメリカおよびイギリスにおける新たな極超音速関連事業を受注したことが好感されました。
この日の市場の開始直後、ロケット・ラブの株価は13%上昇し21.62ドルを記録しました。その後、株価は下落しましたが、正午過ぎの段階で8.34%高で取引されています。
HASTEシステムが新たな契約を獲得
株価上昇の背景には、14日の夕方に発表されたHASTE打ち上げシステムに関する2つの新規契約があります。HASTEは「Hypersonic Accelerator Suborbital Test Electron」の略で、ロケット・ラブの既存ロケット「エレクトロン」をベースに開発された準軌道極超音速試験機です。
「極超音速」とは一般に音速の5倍以上、時速約6,200km以上の速度を指し、これはニューヨークからロンドンまで1時間以内で移動できるスピードです。
米国と英国、双方での採用
アメリカ空軍は、革新的な技術やエンジニアリングサービスを迅速に取得するための460億ドル規模の契約において、HASTEを採用しました。一方、イギリス国防省も13億ドル規模の「極超音速技術・能力開発フレームワーク」においてロケット・ラブを選定しました。
ロケット・ラブのCEOであるピーター・ベック氏は、「米英両国の安全保障に貢献できることは、HASTEチームにとって誇りです」とコメントしています。同氏はまた、HASTEが商業価格と打ち上げ頻度の両面で優れたテスト環境を提供しており、極超音速技術の進展を加速させていると述べました。
業績見通しと市場の期待
2025年の売上高は5億8,000万ドルに達する見込みで、2024年の4億3,600万ドルから大きく伸びると予想されています。現在はまだ黒字化していませんが、ウォール街の予測では、2026年には営業利益とフリーキャッシュフローが黒字化し、2027年には純利益も黒字転換するとされています。
ロケット・ラブは2024年に14基のロケットを打ち上げており、2025年もすでに3回の打ち上げを成功させています。商業宇宙開発においてナサや他の機関がロケット・ラブのような民間技術を積極的に採用する流れが強まっており、投資家の期待も高まっています。
ロケット・ラブの今回の成果は、宇宙開発と防衛技術の最前線で同社が果たす役割の大きさを物語っています。