PC・スマホ・半導体に好材料!米国関税緩和の全貌と投資インパクト

先週末、米国政府が発表した関税免除措置が大きな注目を集めましたが、その具体的な影響が徐々に明らかになってきました。アップル(AAPL)エヌビディア(NVDA)をはじめとする主要テクノロジー企業に対する影響が、予測から実績ベースの分析へと移りつつあります。

テクノロジー関連企業の反応と株価の動き

免除措置の発表を受け、エヌビディアやデル・テクノロジーズ(DELL)ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)などの株価は直後に上昇しました。特にAI関連半導体をリードするエヌビディアは、サーバーやPC機器の関税が平均45%から5%へと引き下げられたことで、大きな価格優位性を維持できる環境が整いました。

アップルについても、スマートフォンの輸入関税が最大145%から20%に引き下げられたことにより、価格戦略の自由度が高まりました。現時点では、インドやベトナムからの調達比率を高めることでリスク分散も進めています。

免除対象となった輸入品の実際の数量と内容

2024年の輸入統計に基づくと、今回の関税免除措置は全輸入の12%、金額にして3,850億ドルに相当します。そのうち中国からの輸入が1,000億ドル、特にPC・サーバー関連が1,400億ドル分を占めている点が注目されます。

スマートフォンに限って見れば、米国への輸入額は410億ドル、そのうち81%が中国製であるという実態が明らかとなっています。この高い依存度が、アップルなどにとって関税変更がいかに大きな意味を持つかを物語っています。

関税免除の継続性と政策リスク

今回の措置は、将来的な政策変更や政権交代によって見直される可能性も残されています。アパレルや履物などの消費財産業は依然として145%の関税が課されており、業界間での「選別」が行われている現状が浮き彫りになっています。

また、台湾やマレーシア、ベトナム、タイといったアジア諸国も大きく影響を受けており、特に台湾からの輸入の64%が免除対象となったことで、半導体サプライチェーン全体の再編にも拍車がかかっています。

半導体製造装置など戦略物資も対象に

新たに免除対象となったのは、PC・サーバー関連部品に加え、半導体製造装置や固体記憶装置(SSD)です。この免除は、ASML(ASML)や東京エレクトロンといった海外装置メーカーに加え、インテル(INTC)、TSMC(TSM)、テキサス・インスツルメンツ(TXN)、グローバルファウンドリーズ(GFS)など、国内外の大手半導体メーカーにもプラスとなっています。

この分野での平均関税率は19%からわずか1%にまで引き下げられており、設備投資の判断にも良い影響を与えているとの見方が広がっています。

今後の展望:企業の対応と投資戦略

企業側は、このような貿易政策の不確実性に備え、サプライチェーンの多様化や現地生産比率の向上に引き続き取り組んでいます。一方で、市場全体としては、テクノロジー関連銘柄へのポジティブな見方が強まり、特にエヌビディアを中心としたAI関連企業への関心が高まっています。

今回の関税免除措置は、単なる一時的な税率変更にとどまらず、グローバル経済と米国産業政策の分岐点を象徴する動きとして注目されています。投資家としては、この政策環境の変化を機敏に読み取り、長期的な視点でポートフォリオを再構築することが求められます。

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