4月11日(金)の米国株式市場は、米国株が長期国債とドルの売り一服を受けて反発し、2023年以来最大の週間上昇を記録しました。FRBの市場安定化発言が安心感を与えた一方、米中貿易摩擦や景気減速懸念がくすぶり、ボラティリティは継続。投資家は依然慎重姿勢を崩していません。
以下は、11日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。
ニューモント (NEM)
株価変動: +7.91%
詳細: ニューモントはアメリカの大手金鉱会社で、世界中で金やその他の貴金属を採掘しています。UBSが投資判断を「中立」から「買い」に格上げし、目標株価も60ドルに引き上げたことで、株価は大きく上昇しました。2025年は金価格の高騰を背景に、年初来で約50%の上昇を記録しています。
ファステナル (FAST)
株価変動: +6.40%
詳細: ファステナルはアメリカの工業用品ディストリビューターで、建設や製造業向けの工具や部品を提供しています。第1四半期は売上・利益ともに前年を上回り、関税のコスト上昇に対応して4月から価格を引き上げたことが好感されました。
アップル (AAPL)
株価変動: +4.06%
詳細: アップルはiPhoneやMacなどで知られるアメリカのテクノロジー企業です。米中貿易戦争の影響を大きく受けているものの、株価は反発。中国が米国製品への関税を125%に引き上げた中でも投資家の関心を集めました。
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JPモルガン・チェース (JPM)
株価変動: +4.00%
詳細: JPモルガン・チェースはアメリカ最大手の銀行で、商業銀行、投資銀行、資産管理を手がけています。第1四半期の決算で大幅な増益を記録し、市場予想を大きく上回ったことが株価上昇につながりました。
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エヌビディア (NVDA)
株価変動: +3.12%
詳細: エヌビディアはAIやゲーム向けGPUを開発する半導体企業で、AI需要の拡大に伴い注目を集めています。前日の下落から反発したものの、シティによる目標株価の引き下げが重しとなっています。
ブラックロック (BLK)
株価変動: +2.33%
詳細: ブラックロックは世界最大の資産運用会社で、ETFや年金基金などを中心に11兆ドル超の資産を管理しています。第1四半期の利益が予想を上回り、運用資産残高も過去最高を更新したことで株価は上昇しました。
モルガン・スタンレー (MS)
株価変動: +1.44%
詳細: モルガン・スタンレーはアメリカの大手投資銀行で、資産運用・投資銀行業務に強みを持ちます。第1四半期の決算ではEPSが予想を上回り、特に投資銀行部門の収益が8%増加した点が評価されました。
テスラ (TSLA)
株価変動: -0.04%
詳細: テスラは電気自動車(EV)およびエネルギーソリューションを提供するアメリカの企業です。関税緩和で一時急騰したものの、長期的な下落傾向が続いており、年初来では依然として38%の下落となっています。
ウェルズ・ファーゴ (WFC)
株価変動: -0.95%
詳細: ウェルズ・ファーゴはアメリカを代表する商業銀行の一つで、個人・法人向け融資や資産管理を行っています。決算では利益が予想を上回った一方で、純金利収入の減少と経済への慎重な見通しが影響しました。
テキサス・インスツルメンツ (TXN)
株価変動: -5.75%
詳細: テキサス・インスツルメンツはアナログ半導体と組込みプロセッサの大手メーカーです。中国の半導体業界団体による原産地調査強化の動きが報じられ、中国市場への依存度が高い同社にとって大きなリスクとなり、株価は続落しました。
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*過去記事 株価変動