暴落相場でも安心!通信株がディフェンシブ投資として選ばれる理由

  • 2025年4月8日
  • 2025年4月8日
  • BS余話

通信株は、経済の不確実性が高まる局面において比較的安全な投資先と考えられてきました。特に、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)AT&T(T)のような企業は、高配当利回りを誇り、ディフェンシブな市場環境において投資家の関心を集めています。

高配当が魅力のベライゾンとAT&T

ベライゾンの配当利回りはS&P500の平均利回りの4倍以上、AT&Tも約3倍に達しており、配当収入を重視する投資家にとっては魅力的な選択肢となっています。株価の値動きが鈍い局面でも安定した収益を見込める点が評価されています。

通信業界の構造変化が追い風に

近年、AT&Tとベライゾンはメディア事業の売却を進め、本業である通信サービスに集中しています。これにより、ビジネスモデルがシンプルかつ収益性の高いものへと進化しています。TモバイルUS(TMUS)も無線通信が中心ですが、M&Aを通じてインターネットサービス領域への拡大を進めています。

これらの変化により、通信株には一層の安定感が加わり、投資先としての魅力が増しています。

サービスの必需性が安定収益を支える

通信会社は関税の影響をほとんど受けない上、消費者にとって必要不可欠なサービスを提供しています。スマートフォンは非常に依存度の高い消費財であり、仮に端末価格が関税の影響で上昇したとしても、通信サービスの需要が大きく減少する可能性は低いと考えられます。

また、経済が厳しい状況になったとしても、消費者が端末の買い替えを控えることは、通信会社にとって必ずしもマイナスではありません。キャリア各社は端末販売で利益を出していないため、ユーザーが長く同じ端末を使うことは、コストの抑制につながり、むしろプラスに働きます。

移民の影響と今後の展望

AT&Tなどの通信会社は、移民の増加により加入者数が増加してきました。特にギグワーカーが複数の端末を持つケースが多く、これが成長の一因となっています。ただし、トランプ氏による移民政策の厳格化が再び進行すれば、今後の加入者増加ペースに影響を与える懸念も指摘されています。

アナリストが見込む通信株の将来性

レイモンド・ジェームズのアナリストであるフランク・ルーサン氏は、AT&Tとベライゾンがメディア事業を手放したことで「ノイズ」が減り、ファイバーとワイヤレスの二本柱による安定した事業運営が可能になったと述べています。同氏はAT&Tの目標株価を30ドルに、ベライゾンを47ドルへと引き上げました。ともに、現状の株価から10%あまりの上昇余地がある価格です。

また、シティ・リサーチのマイケル・ローリンズ氏は、AT&Tをセクター内のトップピックとしつつも、景気後退時には財務面でのリスクが残ると指摘しています。しかし、戦略的な価格設定とコアサービスの拡大により、長期的には安定した成長が期待できると評価しています。

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