アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の株価は、ライバル企業であるエヌビディア(NVDA)やインテル(INTC)の技術革新が進む中で、半導体業界における競争力の低下が懸念されています。キーバンク・キャピタル・マーケッツのアナリストチームは、同社の投資判断を「オーバーウエイト」から「セクターウェイト」に引き下げ、目標株価を140ドルに据え置きました。140ドルという目標株価は、4月7日の終値83.64ドルから約67%の上昇余地を示しています。
中国におけるAIビジネスの継続性に懸念
アナリストたちは、AMDの人工知能(AI)事業の成長性、特に中国市場における持続可能性に疑問を投げかけています。アメリカ政府による新たな輸出規制が導入される可能性があり、中国向けのビジネスが圧迫されるリスクがあると指摘されています。
さらに、エヌビディアが最新のGB200 NVLエクサスケール・コンピュータの開発に注力している中で、同社との技術格差がさらに広がっていると分析しています。これにより、AMDが競争力のある製品を市場に投入するには、ある程度の時間がかかる見通しです。
インテルとの競争激化と利益率への懸念
AMDの利益率に対する懸念も浮上しています。インテルとの価格競争が激化する可能性があり、同社が市場シェアを拡大する余地が限られているとの見方が出ています。
2026年の1株当たり利益予想に基づけば、AMDの株価は13倍と割安に見えますが、半導体株は利益率が圧迫される局面では上昇しづらい傾向があります。インテルが最新のチップ製造プロセス「18A」の開発を進めることで、サーバーおよびPC市場におけるAMDとの競争格差が縮まり、AMDがこれまでのようにシェアを獲得することが困難になると見込まれています。
今後も各社の技術革新と市場動向に注視することが、半導体業界への投資判断において重要になってきます
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